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今必要な"金融教育"は?高校時代に学んでおきたかったこと【座談会 前編】

【代ゼミと考える金融教育】
👨👩スペシャル座談会👨👩

「お金」について、20~30代の世代はどのように捉えているの?
金融教育が義務化されたけど、高校生は実際どのように感じているの?
代ゼミ若手職員の視点を元に深掘りします。

後編:"Z世代とお金"高校生の深層心理/20-30代のリアルなお金事情(12/28公開!)

前編では、2022年に義務化された「金融教育」について、(義務化少し前の世代は)高校生の時にどんなことを学んだか、今何を学びたいかを語ります!高校現場の先生から聞いた困りごとも。


👨👩座談会のメンバー紹介👨👩


▸これまでお金について学ぶ機会はありましたか?_義務化前の金融教育に関する"本音"。


金融教育についてはあまり記憶がないっていうのが正直なところで、学校の家庭科で少しやったような気はするなっていうぐらいです。 なので、社会人になったタイミングで本を買って一通り勉強しました。

社会に出る時に稼いだお金をどうするか学びたかったですし、ちょうど社会人になったタイミングで結婚したので、家庭を持つにあたってお金のことを知っておいた方がいいよなと思って。知らなくて損することがあるのは嫌だなと思って、給与明細の見方から一通り勉強しました。


僕の場合、家庭科でクーリングオフやカードの種類などは習いました。給与明細や投資など「自分のお金を守る・増やす」みたいな視点と、「法律から逸脱しないように・法律で守られる」といったところは学んでいますけど、実際に自分で何をすべきなのかというところは学校では習っていないですし、 今も詳しくは知らないですね、恥ずかしながら。


Kさんの家庭科の話を聞いて思い出したぐらいなので、もう何も覚えてないぐらい学ぶ機会はなかったですね。「そんなのもあったような気がするな」くらいで、それ以降も学ぶ機会はなかったです。何も知らない状態で社会人になりました。


▸お金に関するトラブルに巻き込まれたこと/お金について不安に感じることはありますか?_20-30代のお金との向き合い方、実は…?


トラブルはないですね。父が投資などを回避するタイプだったので、「株はやらない方がいい、 リボ払いもするな」とか、割とダメダメっていうのを教わって育ってきました。
今、僕はそんなに物欲もある方じゃなくて、全然出費はしないんですけど、それでもなお増やしていかないと、今の日本では僕がおじいちゃんになってから生きていけない社会なのではという、漠然とした不安はありますね。


トラブルってわけじゃないんですけど、今年実家を出て初めて家を借りたんです。敷金とか礼金とか初めてのことが多いまま手続きをして、そこは不安ではありましたね。

あと別件で、これトラブルって言ったらトラブルなんですかね。大学生時代にアルバイトで、たくさん働いて103万の壁を余裕で超えていたので確定申告をしなきゃいけなかったんですが、 その103万の壁を超えた最初の年に確定申告をしていなくて。
で、税金の未納があったわけではないので特に後から請求が来たわけではないんですけど、「お金が多分戻ってくるよ」って言われて、翌々年ぐらいに、遡って確定申告したんですよ。 そうしたら1ヶ月分の給料ぐらいが戻ってきたっていう。どっちかというと嬉しいトラブルでしたけど、確定申告し忘れていたっていうことがありました。


確定申告って家庭科で教わらないですよね。何なら社会人になってからも自分で学ばなければ誰も教えてくれない。今副業が当たり前になってきているから、知らないと損することがありそうですね。ではトラブルや不安の話に戻して聞いていきましょう。


私もトラブルはないですね。物欲はないので、 ほぼ全て食費で(笑)。お金を借りることもないし、人にお金を借りることがすごく苦手で嫌だったので、リボ払いとかクレジットカードも使わず、大学生の時はデビットカードで即引き落とされるようにしていたんですよ。
特にトラブルはないんですけど、 あまりにもお金に執着がないので、貯まることもないんですよね。それが不安ではありますね。いつか必要ってなった時にどうやってお金を貯めるのかなと。


▸社会人になると発生する、様々な大きな出費_ローンや借金を若者はどう考えているの?

僕、物欲は基本的にないんですけど、物欲が発生した時の規模が大きくて、

一同 大きそう…!)

実際今使ってる楽器が大学2年生の終わりに買ったんですけど、かなり大きな出費でしたね。そのために貯めているところはありますね。


私も楽器と、あと自転車で、結構高いやつを買ったことがあります。楽器は大学生の時に買ったんですけど、一括で払えなかったので、ショッピングローンを組んで毎月4万ずつぐらい返して1年ちょいかかりました。


僕は趣味で1番大きかったなって思うのは、大学1年の時に作曲のソフトを買って、それが6万9000円ぐらいでした。高校の時に貯めたお金で買ったので、現金で買えたんですけど。
直近だと引越をして、かかったのが5、60万。人生のライフステージが上がるとこういうタイミングがあるのかと、それこそお金について考えるいいきっかけにはなったなっていう出費でしたね。家賃や光熱費など、今後も暮らしていくためには毎月10万単位で減っていくというのに震えました。


今の話を聞いていて、みんな堅実じゃないですか。大きい買い物とか出費がある場合でも、貯金で賄える範囲で概ねやっていると。ショッピングローンも1年ちょっとで返せる規模だったわけでしょ。

でも、貯金があんまりない状態で、どうしても必要なもの、欲しいものがある時に、ローンを組まないといけないんだったらやめようって思うのか。それでも必要だから組むのか、どっちなんでしょう。
金利を払ってでも買うっていう経験がなかなかないと思うんだけど、 どうするのかなと気になりました。必要な借金を受け入れるか。借金は絶対嫌なのか。

例えば家を買う場合、トータルで払うコストを考えたら、買った金額に結構上乗せされるじゃない?永遠の議論だけど、賃貸の方が安いのか、持ち家の方がいいのか。 ローンを組む抵抗はあるんでしょうかね?


私は家を買ったんですが、抵抗はそれほどはなかったですね。私の場合、「どうしても防音室を家に作りたい」というのを考えた時に、賃貸で東京に住むってなったら、結構家賃もかかるし。新築で家を買った方がトータルのコストで見たらいいのかなと判断しました。

「もっと大きな額を借りることができますよ」ってFPさんには言われたんですけど、 ローンに追われて無理をするのは嫌なので、結構余裕を持っての購入でした。
金利は変動にしたんですけど、FPさんのアドバイスも聞きつつ、それぞれの金利についてのメリット・デメリットを自分たちで調べて決めました。

若手職員一同、感心。「Kさんは金融リテラシーの殿上人ですね…!」)


▸お金に関して学びたいこと(高校で学んでおきたかったこと)はありますか?_社会人数年目の今だからこそ、言えること。


何も知らないので、それこそ義務化された金融教育がどんなものなのか知りたいなと思いました。どのくらいのものを教えてもらえるのかなと気になりますね。

私自身は堅実にやっていこうとは思いつつ、投資などお金の増やし方は学びたいなと思います。
本を買いたいんですけど、本もありすぎて、 書いてる人によってレベルやスタンスが全然違うので、結局選びきれずにいて。ChatGPTに聞くこともあります。


眠っているお金は結構ある方なので、それを投資に回した方が本当はいいのかなと。増やし方っていうのはやっぱり興味はありますけど、でも自分で動き出すほど興味があるわけではない。 やっぱり現に困ってないっていう自覚のせいで、そこのアクションを取れずにいるんですよね。

新NISAやiDeCoをなんでそもそもやれって言ってるのかとか、やらないとどうなるのかも気にはなる。リスク含め、情報が体系的にまとめられているといい。
高校の時にそんな授業があれば、授業として避けられない前提があるから多分いっぱい学んでいたし、もしかしたらそのまま今投資をやっていた可能性もあるなって。


▸高校現場での困りごと_金融教育の意識格差はどのくらい?


学校で学んだとしても、現状困ってない状況だったら、何十年後のためにお金を増やそうってなるかどうかは、正直分からないよね。貯金とか投資に興味はあるけど、今困っていないから一歩踏み出さない。
必要性を自分ごととして捉えられるように、高校生にどうやって伝えていけばいいか。Kさんは講演などでもよく高校に行かれていますけど、高校現場の声はどうですか?


高校の先生から、金融教育がいかに高校でやりづらいかという話は伺います。 アントレプレナーシップ教育などもそうなんですが、「お金儲けの話をなぜ 学校でしなければいけないんだ」という先生もいらっしゃるそうで。
投資のことや資産運用のことを教えると、それがお金儲けっていうところに繋がってしまうみたいで、それは学校で教えることではないっていうお考えの先生もいらっしゃって。

学問と経済をセパレートしているっていう感じなんでしょうか、お金儲けにしたって、結局その子たちの未来に必要なところは伝えた方がいいと思うんですが、損をしないための話はすごくするけれど、プラスにする話はしない。

積極的な先生は、国がやれって言ってるからとか、教科書に載ってるからやらないといけないとかではなくて、多分、その先生なりに子どもたちにとって必要だと感じて推進しようとしていらっしゃるのですが、 いまいちそれが一部の先生や子ども達には響かないっていうところもあるんでしょうかね。


その学校現場の(学校現場って言っても一部の先生だけど)お金儲けって考えちゃう人がいて、一方で、必要なことを学びたいと思っている学生がいて、意識格差があるから、そこを埋めなくちゃいけないですよね。



(後編に続く…)


※本記事は、個人の見解に基づき作成されています。金融商品のご購入・ご利用にあたっては、必ず最新情報を確認の上、ご自身でご判断をお願いいたします。


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