いつの間にか「カルト映画扱い」になっていた「太陽を盗んだ男」。
先日、IGN・JAPANの動画を観ていたら「太陽を盗んだ男」の紹介をしていた。どうやらネットフリックスで配信されるようになったので取り上げた様子。
で、IGN・JAPANに若い連中は、この傑作を「カルト映画である」とのたまっている。
ロートルの私たちにとって、長谷川和彦監督の「太陽を盗んだ男」は、「王道」の「ロードショー大作映画」という印象を持っている。ただ、ロードショー公開時は、客が入らず、大コケしてしまったのだが。
このころの、沢田研二は「TOKIO」をヒットさせており、まあ、絶好調の時代。そういえば、TBS「ザ・ベストテン」で、この映画の撮影現場(原子力発電所内のセット)から中継したこともあった。黒柳徹子が長谷川和彦監督に「あら、まあ、長谷川和彦っていうの。むかし、長谷川一夫っていう二枚目俳優がいたのよ」と語りかけ、ゴジは「いやあ、あんなに美男子じゃないですよ」と返す、なんていうやりとりがあった。
菅原文太さんも、「仁義なき戦い」の印象を払拭させるべくいろんな役柄にチャレンジしていたなあ。
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多感な青春時代に、この傑作に影響を受け、のちにクリエイターとなった人は多い。樋口真嗣、庵野秀明、小島秀夫、永瀬正敏、等々。
樋口真嗣は「エヴァンゲリオン新劇場版:破」で、この映画のサントラから「YAMASHITA」という曲を使用している。
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映画評論家の樋口尚文は自著「『砂の器』と『日本沈没』 70年代日本の超大作映画」の中で、1970年代の「大作映画」の中で「作品的」に成功したのは、「太陽を盗んだ男」だけ、と述べている。(個人的に、強いて言えば「新幹線大爆破」も成功作だと思うが)
角川映画大作主義の中で、この傑作が埋もれてしまった感がある。
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早く、アマゾンプライムで「見放題」にならないかな、と期待している。まあ、DVDは持っているんですけど。死ぬまでに、あと100回は観るだろうなあ。
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ちなみに、「太陽を盗んだ男」の宣伝ポスターのキャッチフレーズには2種類ある。
一つ目は、キャッチフレーズを仲畑貴志が書いたもの。
「日本にも原爆を作った男がいた!」
わりとストレートなキャッチフレーズである。
もうひとつは、糸井重里がキャッチフレーズを書き、横尾忠則がアートディレクションしたポスター。
「ボクの先生は原爆を持っている」
糸井重里らしいなあ。ファミコンゲーム「マザー」っぽいテイストもあるね。横尾さんのデザインワークも凄い。異世界に迷い込んだような雰囲気だ。
仲畑貴志も糸井重里も、この映画が公開された1979年において、超売れっ子コピーライター。
今の若い人は「コピーライターブーム」という現象があったこと、知らないだろうなあ。かくいう私も、そのブームに乗ってコピーライターになってしまったわけですが。月刊のコピーライター雑誌(すごくミーハーな内容でした)があったんですからねえ。
バブル全盛期ですよ。。。