見出し画像

源氏物語、サクッと読めてあらすじをインプットできる入門本3選。

NHK大河ドラマ「光る君へ」効果で大盛り上がりの源氏物語、Amazonでも関連書籍がベストセラーになっています。
この機会に読んでみたいと思う方が多いのだなあと実感しています。
来るか、源氏ブーム!
何度目かわからないけれど、令和にも起これ源氏ブーム!

ところが、困ったことに源氏物語は翻訳版だけでも大量にあり、漫画版や入門本、研究所もふくむと膨大な数の書籍が出版されています。
書店に行くと棚にずらっと源氏本が並んでいますし、何冊も買うとそこそこお高い。
どれを読めばいいのか、迷うところです。

昔から言われる
「須磨かえり」
がんばって読み進めてみたけれど、難しくて須磨の巻で挫折し、その後は手付かずで終わってしまう人が多いのはもったいない。
須磨の巻のその先、挫折して都落ちした主人公が中央政界に復帰してからの快進撃が楽しいのに。
だったら、

あらすじを掴める
当時の風習、単語、官職について、同じページ内に説明がある
1冊で完結している

こんな本でまず源氏物語のあらすじを掴んでから、現代語訳版を読むのが須磨かえりにならない方法ではないか、と思います。
12才の年から源氏物語を読み始めて、ン十年の長い間繰り返し読んで楽しんできた源氏好きの、推しの3冊です。

その1:「大掴源氏物語 まろ、ん?」

2002年に出版された本ですが、現在Amazonでベストセラー1位。
8コマ漫画で源氏物語のあらすじを押さえてくれる優れ本は、20万部の大ヒット。
ビギナー向けの本なら、これを挙げるのが間違いないと思っています。
主人公の光源氏が
「マロン(栗)」
で描かれていて、ファンシーな雰囲気なのも読みやすさの秘密。
かわいいイラストだと、宮廷を舞台にした不義密通やNTR、痴情のもつれといったドロドロのスキャンダルも、なんだか大学生のサークルの揉め事のようです。笑

その2:「はやげん!〜はやよみ源氏物語〜」

こちらもAmazonレビューで高評価なのも納得、ギュッと内容を圧縮して超簡単に読める源氏物語に生まれ変わった入門書です。
かわいいイラストですが、ツボを押さえた要約と人物描写は原作から外れていませんので、コメディタッチに乗せられてさらっと完読できるのが高ポイントです。
現代語訳から読むのも楽しいのですが、やはり源氏物語は長編小説です。
途中で挫折しないために、こういう
「もっと読んでみよう!」
という好奇心を引き出してくれる本は嬉しい。

強いて難点を挙げると、ダイジェストなので情感あふれる恋の風景や、細やかな心理描写はバッサリとカットされて、主人公の光源氏が仕事もしないで手当たり次第に女性を口説くメンヘラのクズに見えてしまうことです。笑

臣籍降下した源氏ですし、一応仕事はしているんではないでしょうか…

その3:「瀬戸内寂聴の源氏物語」

最後の1冊は、私が源氏物語を読むきっかけを作ってくれた恩人、瀬戸内寂聴さんの本。
源氏物語は大長編なのですが、途中に主人公の光源氏以外のキャラクターが主役になる、番外編とも言える部分も多く含まれています。
そういう本筋以外の部分をカットして、さらに短くあらすじをまとめてありますので、全く源氏物語の内容を知らない人にも抵抗なく読めると思います。
文章の見え方が固くなる漢字と、雰囲気を壊すカタカナは使わずに、柔らかい文章にまとめられているので、小学生のお子さんでも読みこなせる入門書になっています。

おすすめポイントは、源氏物語の現代語訳をやり遂げた大作家の文章力の素晴らしさ。
平安時代の宮廷を舞台にした小説にふさわしい、優雅で流れるような文章には
「香気」
があります。
せっかくなら、平安時代の宮廷にタイムトリップして雅な気分にさせてくれる現代語訳で読みたいですね!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集