ゆうちゃん

2024/07/01~ 会社を辞めてバックパッカーをやっている20代です。 旅の日々…

ゆうちゃん

2024/07/01~ 会社を辞めてバックパッカーをやっている20代です。 旅の日々を書いていこうと思います。

最近の記事

バックパッカー旅 ウズベキスタン編 vol.3

宿に戻り、予備の携帯を充電プラグに繋いだ。タクシーに忘れてきた携帯は2割ほどのバッテリーを残していた記憶があるので、もしかすると追跡できるかもしれない。持参してきたMacBookを使って、どのように追跡すれば良いかを調べる。 「探す」というアプリを使えば、連携している端末の位置情報を把握することができる。僕の携帯は宿から10キロほど離れた位置を転々としていた。夕暮れ時の今追いかけたとしても、移動パターンがわからないので見つけられない可能性が高いと考えた。今日は様子を見て、明日

    • バックパッカー旅 ウズベキスタン編 vol.2

      サマルカンドはブハラよりも都会だが、それでもまだローカルな趣を残していた。ホステルの隣は住居が立ち並んでいて、昼下がりになるとその前で子供たちが遊んでいる。少し歩くとスーパーマーケットやローカル食堂があり、現地で暮らしている人たちの姿がそこにあった。僕はそれに溶け込むように、あるいは小さな余白を借りるように滞在していた。 その日はレギスタン広場など、定番の観光地を回ったがどうにもしっくりこない。ウズベキスタンにおける観光地はモスクや霊廟が多く、それらのどれもが似たような形状

      • バックパッカー旅 ウズベキスタン編 vol.1

        ブハラへの列車は日本の新幹線のように静かで快適だった、しかし日本のそれほどの速度は出ていない。どの形式の列車に乗るかによっても異なるが、ブハラへと向かう列車に関しては日本の新幹線よりも遅く、自動車よりも早い程度だった。 ブハラに着いた。降りようとする人たちは身なりの整った観光客が多く、僕のようなヨレた服を着たバックパッカーはいない。肩身の狭い思いをしながら列車を出る。 時刻は18時。ウズベキスタンの9月はまだ夏ではあるものの、空気がかなり乾燥しているので(喉は痛むのだが)快適

        • バックパッカー旅 ジョージア編 vol.3

          数日バトゥミで過ごした後、長距離バスで首都のトビリシまで移動した。バトゥミはもっと長く滞在できる町ではあったが、トビリシでは知人の知人に会う予定があり、その人がもうすぐ日本に帰国するので急いで出る必要があった。 バトゥミとは異なり、地理的に内陸部にあるトビリシは比較的湿度が低く快適な気候だった。紹介いただいた方と会う場所へは宿から歩いて30分ほどかかる。快適ではあるものの、さすがに長距離を歩くには辛い暑さなので、電動キックボードを借りて向かうことにした。 付属されているQR

        バックパッカー旅 ウズベキスタン編 vol.3

          バックパッカー旅 ジョージア編 vol.2

          旅で海水浴をする予定は全くなかったので、乾きやすそうなショートパンツを履いて宿を出た。外は30度近くの真夏日だったので、海日和だ。 彼女は「ローズ」という名前のアルメニア人だった。地理的に端の方といえど顔立ちはヨーロッパのそれで、鼻筋がくっきりと前に出ており、彫りが深い。本名の「Vard」はアルメニア語だと薔薇を意味するらしく、そのため「ローズ」と名乗っている。 名前が何かというよりは名前が持つ意味を重要視するのは、僕にはない考え方だ。 彼女の年齢は30後半なので、僕と比べる

          バックパッカー旅 ジョージア編 vol.2

          バックパッカー旅 ジョージア編 vol.1

          トルコとジョージアの国境に着いた時は昼だった。バスを降りると、国境を跨いだ人を迎えるためのタクシーやバスで道が埋め尽くされている。 イミグレーションを行うための、それだけにしては大きい気もする建物に入っていく。国境付近は両国にとっても田舎なはずだが、建物自体は新しく清潔感があった。スロープ状のエスカレーターを乗って2階へ上がり、少し歩くとトルコから出国するための審査をするカウンターに辿り着く。カウンターは3つほどあり、それぞれ20人ほど並んでいたがすぐに出国手続きは済んだ。

          バックパッカー旅 ジョージア編 vol.1

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.4

          その日の夜はぐっすりと眠れた。7時あたりに起き、宿の朝食を食べる。4人がけのテーブルに1人で食べていると、1人の男性が相席してきた。この宿では宿泊している人数の割にテーブルの数が少ないので、誰かと相席することはよくあることだ。 見た目は40代で、アジア系の顔立ちをしている。もしかすると日本人かもしれない。「Where are you from?」と聞かれたので「I'm from Japan」と返すと、「私も日本人です」と言ってくれた。 彼は物井(ものい)さんという珍しい苗字の

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.4

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.3

          イスタンブールからギョレメまではバスで12時間ほどかかる。深夜便だとちょうど良い時間に到着すると考え、0時あたりに出発するバスを予約した。 チケットを見せて中に入る。バスは左右に2列ずつ座席があり、最後尾だけ通路分も合わせて5席ある形となっていた。僕は最後尾の、バスの進路方向から右側にある角の席に座った。 格安バスにしては珍しく、革で座席シートが作られていた。ヨーロッパでの移動もバスだったが、全て布製であった。 バスターミナルにはそれなりの人がいたが、バスはそこまで混雑してい

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.3

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.2

          次の日、たくやさんとみほさんは両親と合流すべくチェックアウトした。再びギョレメで合流するため、連絡先を交換しておいた。 少し悩んだ末、僕はイスタンブールを観光することにした。外に出ると雲ひとつない晴天で、日差しが強い。サングラスがないと景色を見ることが難しいくらいだ。 電車に乗っていると、2人組がそそくさと車内を歩いている。片方はギターを持っており、車両の中央で弾き語りを始めた。もう片方が帽子を手に乗客に何やら話しかけている。どうやら演奏に対してチップを要求しているようだ。

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.2

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.1

          4泊ほどしたソフィアのホテルを出る。時刻は18時だが日没は遅く、日差しがまだ強い。ブルガリアは経済的に潤っていないのか、道路の舗装が古くて荒い。コンクリートのタイルがところどころ欠けており、気を抜くと足を挫きそうになる。足元を注視しながら、一歩ずつ歩みを進める。 3分もしないうちにソフィア中央駅が見えてくる。首都の主要な駅であるにもかかわらず、内部に入るための地下道は古びており、小さな露店が少し並んでいる程度だった。アジア人がバックパックを背負って歩いている姿が珍しいのか、露

          バックパッカー旅 トルコ編 vol.1

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.5

          翌朝目が覚めると、寒気が強くなっていた。26年生きていればわかる、完全に風邪を引いてしまった。 外でオートミールを食べながら、この旨ををどう伝えようか悩んでいた。住み込みボランティアの初日で、風邪を引く人は僕ぐらいしかいないだろう。数日間、自分がただの居候になることに申し訳が立たない。とはいえ、発熱したまま肉体労働をすることはできない。 仕方なくジャムに伝え、ひとまず今日は仕事を休ませてもらうことになった。 自分の家ではないところで病床に伏すというのは、非常に気が滅入る。ボ

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.5

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.4

          ホテルをチェックアウトする日が来た。 まだ旅を初めて1ヶ月も経っていないが、多くの人間関係を築けたと思う。彼らとはもう会うことがないのかもしれないが、SNSで繋がっている限り忘れることはないだろう。 マリは起きると早々に支度をして散歩に出て行った。湿っぽい別れが苦手なのかもしれない。「See you someday」とだけ言っておいた。 ジョイは最寄りの駅まで送ってくれるとのことなので、2人で部屋を後にした。 ホテルのロビーは修学旅行をしているような学生で溢れかえっていた。集

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.4

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.3

          ホテルに戻ると、僕らの部屋に新たな人がチェックインしていた。名前はヴァットという。20歳の青年で、髪型は綺麗な坊主頭だった。彼はウクライナの生まれで、ロシアとの戦争の事情でチェコに来ているという。仕事の詳細は聞き取れなかったが、僕と同じくソフトウェアエンジニアをしているらしい。彼はAndroidアプリケーションを専門に置いていた。僕はWeb領域前半なので少し異なる。ソフトウェアエンジニアの平均的な給与について話したが、日本のそれと比べてウクライナは6割程度だったことに驚いた。

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.3

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.2

          ホテルにチェックインした次の日に、ベトナム人のマリとスペイン人のジョシュ、僕の3人で観光することになった。僕だけが英語をうまく聞き取ることができないので、他の2人が目的地を決め、それに僕がついていく形になっている。 僕ら3人は朝の9時ごろにホテルを出た。プラハの日差しは強く、上を向かずとも目を細める必要があった。サングラスをホテルに忘れてしまった僕に「今日使わずに一体いつサングラスを使うんだい?」と笑いながらマリが言う。確かにその通りなぐらいには日光が眩しい。英語でうまい返し

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.2

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.1

          格安バスの運転は荒く、急ブレーキを踏まれる度に寝ていた乗客が叩き起こされる。僕は起きていて、なおかつシートベルトを締めていたにも関わらず、膝を強く前の座席に打ち付けてしまった。じんじんと痛む、擦り傷のようなものをさすりながら、だだっ広い麦畑をバスは駆け抜けていく。 ドイツはビールの製法が法律で制限されており、故に品質が一貫して高いビールが製造されている。一方でチェコは世界で最もビールが飲まれている国であり、水よりもビールの方が値段が安い。この両国間をバスで移動すると、景色のほ

          バックパッカー旅 チェコ編 vol.1