マガジンのカバー画像

ぼくのポエム

44
自分で書いた詩をまとめました。 過去作も含みます。 下書き的な側面もあります。 最後の方にその詩を書いた経緯なども載っています
運営しているクリエイター

#通勤

【詩】 青い男

車内は怪物の腹の中みたいに沢山の人が詰め込まれていた。
そういう日に限って、電車は活発に振動する。

その振動に同調した僕の肘が
目の前の男の背中に当たった。
男はこの窮屈な車内で、わざわざ振り返って僕を睨みつけた。

その男ときたら、服もズボンも、バッグも靴も、全部青色だった。
マスクまで青かったな。
青く無い所といえば、髪の毛と肌くらい。
つまり、持って産まれた部分以外はゼンブ青で統一していた

もっとみる