②雑草食べても良いですか
この研究がなぜかうけて4,5,6年で理化学研究発表会に出た。
この発表会には生粋の理科好きの子が集まる。
場違い感半端なかった。
今考えれば「雑草の研究」は出オチである。
5,6年の頃は近所のI君と一緒に行った。
(いつかの記事で書いた、陸上部に入り超理不尽な怒られ方をして最悪の表情で卒アルに映った彼である)
I君と僕は二人で集まっては雑草を抜き、疲れ果てたところで家の中でサマーウォーズを見た。
なぜか毎回毎回サマーウォーズだった。
もはや雑草の研究ではなくサマーウォーズの研究だ。
よって当時僕は「サマーウォーズに詳しい」という「東西線の駅名全部言える」くらいの、確かにすごいがほぼ役に立たないという長所を持っていた。
サマーウォーズを見るためか雑草を見るためか分からないが、何度も集まって雑草を調べた。
二人で書き上げた模造紙を引っさげて学校へ行き、その年も発表会に出ることになった。
学校で散々練習したにも関わらずI君は当日熱を出してドタキャンという、飲み会に慣れていない大学生みたいなことをやってのけた。
よってその年もひとりで発表した(確か5年生)。
6年生も雑草の研究を終えた夏の終わり、母がこう言った。
「おかげで、今年も草むしりせずに済んだわ」
僕「!!!!!!!!!!!!!?????????????????」
「ありがとう」
僕「オーーーーーーーーーーマイ、ガッッッッッッッッッッt!!」
そう、母は僕に「雑草の研究」をさせることで庭の草むしりをさせていたのだ!!!
そして僕は3年間もそれに気づかぬまま、雑草の名前に詳しくなったりサマーウォーズに詳しくなったりしていたのだ!
なんてことだ!
あと1年あったら「3年間研究という名目で草むしりをさせられた小学生の行動心理学」の研究でnatureの表紙を飾っていたことだろう。
結局母に3杯食わされる形で僕の自由研究は幕を閉じた。
息子の友人を動員してまで庭の草むしりをやらせるなんてすごい母である。
息子がせっせと雑草を抜いて宿題も終わって一石二鳥!おまけにサマーウォーズにまで詳しくなっているわ!てなもんである。
3年間の研究の成果は
「流れに身を任せすぎるといいように使われる」
「サマーウォーズはマジで名作」ということである。
これで僕の発表を終わる。