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西加奈子さんの「サラバ!」は、あなたが読むことで完結する!!

西加奈子さん「サラバ!」をやっと読み終えました。以下、少しネタバレありますので、ご注意ください。

とにかくこの本、上巻下巻とも、ぶ厚いので読み進めるのに時間がかかるし、日常を綴った小説なので、正直興味関心が薄れるところもあり
でも、読み進めようと思ったのは

・西加奈子さんが「さんまのまんま」に出ていた
・木村拓哉さんもこの本を絶賛していた

といったところです。

もともと読んでみようと思ったのは
「火花」の又吉さんが絶賛していたので買いました。

そしてしばらく読まない時期があり、
家内が入院したので暇な時間に読んでもらおうと
家内におもしろいかどうか、読んでもらおうと思い渡しました。

上下巻とも入院中に読破した家内に感想を聞いたところ
「おもしろい」と言ったのでまた読み始めました。

正直、上巻のほうは登場人物も多く
お姉さんも非常に個性的で、でもそういう子いるよね、的にとらえて
読み進めていました。

しばらく放っておいた読みかけの上巻を手に取ってみると
付箋が貼ってあるページに気づきました。

今読み返してなぜそのページに付箋が貼っているのか
よくわからないのですが、たぶん
主人公の男の子、歩くんは姉と母の対立を「静観」していた、
ここになにか惹かれるものがあったので付箋をしたのかと思います。

家族の中で静観、気配を消している主人公の歩くんに
なにかしらの共感を感じたのだと思います。

「サラバ!」は直木賞も受賞したし
結構有名な本かなと思っていたのですが
私の周りでは「サラバ!」を知っている人は皆無でした。

インスタで「サラバ!」を読んだ人に出会い、
上巻の後半からすごくおもしろくなるよ、と聞いて
また読みはじめて、といったことの繰り返しでした。

確かに、上巻の後半から主人公の歩くんの成長が進むにつれて
おもしろくなっていきます。
それは歩くんの世界が成長とともにぐっと広がるからです。

中学、高校、大学と成長が進むにつれて
世界観が広がり、読んでいる私自身にも共感がどんどん広がり、
読み進めることがおもしろくなってきました。

●さらに今、まさに読むべき本だった、この本は・・・と感じたのは

私たち、昭和世代はいったいこの新型コロナ以外にも
どれだけの騒動、パニックを経験してきたのだろう・・・
くぐり抜けてきたのだろう・・・

そして、下巻の最後のほうになると
この本が終わることが名残惜しくなり、
ゆっくりと、他の本と併読なんかもして
読み進めてきました。

ラストに近づくにつれ、感動もひと潮
ページをめくるたびに感動はどんどん大きくなり
なにかしら、不思議なものを感じ出します。

ラストに近づくにつれ、リアル感が増してきます。
なにかストーリーが自分に近づいてくるような感じです。

歩くんが現実をとらえて生きはじめたことで
リアル感が増したのかもしれません。

そして最後、あっ、ひょっとしたら・・・という予感がよぎります。
終わり方はこれじゃない!?という予感がよぎります。

下巻の帯に又吉さんが書いたコメント。
これか!!このことか!!
帯にネタバレ書いているやん、みたいな感じです。

読んでよかった、そしてなにかしら
これから生きていく上での信じるもの、みたいなものが
掴める1冊だと思います。


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