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貝原益軒先生の著した『養生訓』第一巻 総論 上1の② 天地・父母の一環としてのこの身。人身は貴くして天下四海にもかえがたし

(実際の『養生訓』にはありませんが、便宜上番号をふります)

私が私を大切にすべきなのはなぜですか②

≪貝原先生のおはなし≫
身体がなかったら親孝行しようにも
できません。皮膚や髪の毛一本でも
私物だからと粗末にせず
父母から授かったものと思って
大切にしましょう

歴史を自分事にとらえる

学生時代には歴史学、主に政治史や文化史を、年代別に偉人の名前、年号や地名に絡めて学んできたと思います。社会史は人々の生死にまつわる内容から出産・育児など民衆の生活に光をあてた歴史学ですが、なかなか学校では扱われません。両親を敬い、感謝することは、子どもの頃から歴史的な感覚を身につけていくことにもつながっているのではないでしょうか。

『せいめいのれきし』(岩波書店)は子どもが最初に手に取る歴史を知る一冊ですが、日本人として私がオススメしたいのは『絵でみる日本の歴史』です。文字なんて読まなくても絵だけで充分昔の人たちの生活が分かります。
そしてどのページにも自分のおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん、おばあちゃんのおばあちゃんのおばあちゃんがどこかにいて、この時代生きていたことを感じてほしいと思います。

『絵で見る 日本の歴史』(岩波書店)


父母を敬うとは

先日、古本屋で思わず買った明治時代尋常小学校の教科書の一ページです。
“我等の身体は父母の賜物なり”の一節。今の小学校の教科書には見られない文章ですが、子どもの頃にこうしてきちんと伝えておくことで、もっと自分を大切にする人が増えるのではないだろうか、と考えます。

『小学國文讀本 尋常小学校用』

自分たちは両親から生まれ、その前に歴史がずっと続いているのであって
歴史とは学問であるまえに自分に繋がっている事実としての感覚を身につけないと、今の自分が孤立してしまいます。

『スマホ脳』

アンデッシュ・ハンセン著『スマホ脳』の第一章<人類はスマホなしで歴史を作ってきた>に点・・・を使ってスマホが登場した時を感じるページがあります。これを見れば今の私たちのスマホに依存した生活が、いかに突然現れた身体の使い方なのかが分かります。これは貝原先生の伝える、自分の身体の私物化に他ならないのです。私たちの目も脳もそして身体は、祖先の方々が大切に身体を使ってくれた結果だと思えば、感謝しかありません。祖先が今のような目の使い方はしていなかったのですから、スマホで目を酷使するのをやめようかな、と思いませんか。

昔のヒトと今のヒトではなく、昔から受け継がれて、父母から自分に連なっている≪わたし≫を是非大切に扱ってください。


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