精神的な問題と睡眠について
文献の紹介
タイトル
著者
はじめに
・一般人口の約3分の1が不眠症の症状(入眠困難、または睡眠維持困難と定義)を経験し、4%~26%が過度の眠気を経験し、2%~4%が閉塞性睡眠時無呼吸を経験すると結論づけています。
・2000人以上を対象とした最近の研究では、「一般的な睡眠障害」の有病率は32%であると報告されています。
・メンタルヘルスの問題も一般的で、成人の約17%が様々な深刻さのメンタルヘルスの問題を経験しており、メンタルヘルスの問題が増加傾向にあることを示唆する大規模な全国代表調査からの判明されています。
・したがって、睡眠とメンタルヘルスは、それ自体が世界的な公衆衛生の課題であり、それぞれが個人と社会の両方に実質的な影響を及ぼしています。
目的
睡眠の質の改善が、メンタルヘルスにどのような影響があるかを調査することである。
結論
睡眠の改善は、
①複合的な精神的健康、うつ病、不安、沈思黙考(深く、黙って考えること)に対して有意な中程度の効果をもたらす。
②ストレスに対しては有意な小中程度の効果をもたらす。
③ポジティブ精神病症状に対しては小さな有意な効果をもたらす。
具体例
①睡眠衛生指導の効果
線維筋痛症患者に対して、睡眠衛生指導より不眠症、痛み、精神的幸福の改善が認められた。(Jack D Edinger2005)
指導が行われた内容
・標準的な起床時間
・長時間の覚醒時にはベッドから出る
・寝室は睡眠と性生活にのみ使用する
・昼寝をしない
・カフェインとアルコールを制限する
・定期的に適度な運動をする
・就寝時に軽い間食をする(例:チーズやヨーグルト)
・寝室を暗く、静かに、涼しくする
このような睡眠衛生指導が不眠症、痛み、精神的幸福の改善をしました。
②認知行動療法の効果
不眠症患者は、精神的な出来事によって目が覚めてしまうことが多い。
認知行動療法(CBT)が精神的な出来事で目を覚ましてしまうケースにどのように影響するかを調べた。(Colin A. Espie2014)
不眠症患者では、「眠ろうとしすぎる」(SDQ)、「眠れない」「リハーサルや計画を立てる」(GCTI)思考によって精神的に覚醒していた。
この研究の認知行動療法は、アニメーションの「仮想セラピスト」(The Prof)で実施していた。頻度は、週6回のセッションを受けていた。このプログラムは、完全自動のメディアリッチウェブアプリケーションで構成され、オンラインWikipediaスタイルの睡眠教育サイト、専門家が司会を務めるユーザー同士のソーシャルコミュニティ、電子メールや携帯電話のSMSで送られるサポートなどで実施されていた。
(文献にどのような内容を指導したかなどは記載なし)
まとめ
精神的な問題と睡眠の関係性は多く報告がされています。
睡眠を改善することで、精神的な問題の解決につながることがわかりました。
具体的な方向には、睡眠衛生指導や認知行動療法などが治療法として存在しています。
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