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拝啓、天涯孤独な君へ

この世で最も確かな感覚、孤独。
誰と居てもしょせんはひとり。
彼氏彼女、なんだかわからない互いの空いた穴を埋めるため。
夫妻、ただの共同生活。
同じ星に住み、同じ国に住む、同じ地域に住む人々との社会生活。
全部孤独を再確認するための作業、孤独こそが事実であると気づくため。

結局それって、どこかの誰かの価値観だって気づいてからは、ほんの少しでも自分の価値観を持ち、自分の基準で生きてみようって思えたから。
きっとそれは、わがままではなく、自分勝手でもない生き方だ。

仮にあの時、学校でくだらない連中にいじめられていなかったら?
家で親兄弟から一方的に価値観を強要されなかったら?
会社で上司にパワハラまがいの扱いを受けなかったら?
好きな人から裏切られなかったら?
くだらない詐欺に引っかからなかったら?
あの時病気にならなければ?
理不尽な事件に巻きまれなければ?

それらのすべてが、いまの僕のアイデンティティを作ってくれた。

当時は嫌で嫌で苦しかったあの出来事だったからこそ、いま僕が僕で居られるのは、それらのすべてがあったからだってやっとわかった。

過去とは、ただの記憶で。そしていつも未来は希望の中にのみ存在するって気づいた。

理解して腑に落ちてようやくぜんぶに感謝できる、人生ってきっとそういうものだろう。

自己同一性(アイデンティティ)

自分探しの旅、人生とは結局すべて無駄であるということに気づくことだ。

なぜなら、答えなどはとうに出ているからだ。どうせ最後には「自分は自分」、それ以外の何物でもなかったと気づき死ぬ定め。

………ただそれだけ。

でもだからこそ、人生は素晴らしい。

何十年の無駄の先に、自分だけの素晴らしい答えに導かれるからだ。

寄り道、脇道、無駄であればあるほど美しい。

その右往左往の最中、もがき苦しみ四苦八苦。

その体験こそが、自分だけの人生。

今はまだ何者でもない君へ、敬具

誰もが何者でもない、だからこそ生きている。

何かのために、誰かのための自分になろうとしている。

が、それは本当の自分ではない。

誰もがより良い人生のために行動したいと考えるのが当然と信じ切っている現在。しかし足るを知らず、豊かさを求める人々が集まるかぎり、不毛な社会が繰り返される。
だから変えたいと願い、かえようとすればするほど、どういうわけか上手くいかない仕組み。

無理に何かをしようとするのをやめる。
何もしなくていいときには、何もしなくていいのです。
とはいえ、何かしながらその時を待とうとなる、それが忙しい現代。

ともすれば、慣例や慣習は、来たるべきときに変えられる不思議。
今現在、いかに無駄と思われていることも、変えるべき時までは、無理に変えずとも良いのだ。
お漬物が漬かるには、必要な熟成期間があるように、時期を見極め、機が熟したなら、慣習にとらわれず新しい変化を受け入れ、時代の変化やうねりを追い風にして、新たな仕組みを作り出すことが肝要。

そんな不可思議で理不尽な世界だからこそ、自分の人生に疲れ果ててしまうもの。

生きる上で不可避の苦しみや悲しみは、しっかりと受け止めてあげましょう、自分に悲劇が訪れたのは、感情を嗜むことで後の人生への糧とするため。ゆえに、自分の中に悲しみが残る間は、ゆっくりお休みしましょう。ときには周りを頼ることも大切です。

いつの日にか、ぜんぶ笑い話となりますように。
多くの辛い出来事もきっと笑顔で話せる、自分が乗り越えられない事は起こらないと信じ、そう思えないのであれば、今はまだ自分にとってその出来事を忘れずに噛みしめる必要があるということではないか、とそんなふうにまったく別の思いを抱こう。
時間が解決できる日まで焦らず、自分を癒す日々を過ごすのが大切だと気付いた、今日という日の朝。

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なすの
いつも本当にありがとう。 これからも書くね。