
恋バナは突然に|#毎週ショートショートnote
ワタシはこの季節を待ちわびていた。
ワタシは恋をテーマにした小説が得意。
でも、これまで語れるほど恋バナは無いし、小説や映画からインスピレーションが湧くと思ったが、大体が似たりよったりな物語。もっと劇的な展開がいい。
だからこの季節に星の数ほどの恋バナを脳内に詰め込み、そこから取捨選択して書いていた。
よし!
2階の部屋の窓を全開にする。
空は澄みわたり、鳥のさえずりを聞きながら春の訪れを予感する。
ここで大きく息を吸い込む。
鼻を通してほんのりと春の気配を嗅ぎ取る。
クシュン
小さく控えめなくしゃみをしたワタシは、今年の恋花粉を感じ取る。
今年はどんな恋バナだろうか。
みるみるうちに、脳内に様々な人たちの恋バナが浮かんできた。
ん?
ワタシは1つの物語にたどり着く。
それは、ある女子高生の恋バナだった。
その子が恋花粉によってアレルギー反応を起こし、常に目がハートマークになり、学校の男子に手当たり次第告白したりストーカーしたりを繰り返す話だった。
ワタシは怖いと思いつつ、内容が面白そうだったので、その子をモデルとした小説を執筆した。
後日、あまりにも凄惨な物語だったのか、とある文学賞でホラー小説部門にノミネートされた。

(500文字)
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この記事は、たらはかにさん企画【毎週ショートショートnote】参加記事です。
今回のお題は、【恋花粉】でした。
この季節は花粉症がひどくて作業能率が落ちるのに、年度末でなんだかんだバタバタするので苦手な季節です💦
おまけに別れの季節でただでさえセンチメンタルなのに、周囲の状況からしてセンチメンタルジャーニーにも行けない🥲
自分にとって、この季節は耐え忍ぶ日々です🥹
次回のお題にも挑戦します。
読んでいただきありがとうございました🍀