見出し画像

【#毎週ショートショートnote】不眠症浮袋

ベランダでメダカを飼っている俺。

独り身の寂しさを紛らわすために育てやすいというメダカを購入した。

ベランダで日当たりが良いせいか育ちが良くて、飼い始めてから1年が経過してもホトケサマにならず元気に泳いでいた。

「俺の癒しはお前たちだけだよ」

ボソリと独り言を言った時、


「スミマセン!」


ベランダ越しに隣人から声をかけられた。


「そちらに洗濯物が飛んだみたいですがありますか?」


これまで隣人の顔を知らなかったが、俺好みの女だった。


「あ、メダカ飼っているんですね!私は金魚飼っていますよ!」


それがキッカケで俺たちの関係は急接近し、度々お互いの部屋を行き来するようになった。



そんなことが数ヶ月経ったある日、


「うちの金魚、メダカと一緒にしていい?」



その日から俺たちは一方の部屋で暮らすことになった。
女と暮らしたことがない俺はド緊張で毎日不眠症だ。


メダカたちも金魚と暮らすことになり、浮袋を揺らしながら金魚に追い回されて毎日不眠症のようだ。



(410文字)

今回のショートショートは以下のマガジンに収めています😌



この記事は、たらはかにさん企画【毎週ショートショートnote】参加記事です。
今回のお題は、裏お題【不眠症浮袋】でした。


我が家のベランダでメダカを飼っています。
コロナで緊急事態宣言が出た頃、あまりに暇を持て余していたので、妻が花屋で売っていたメダカを10匹ほど飼ってきたのが始まりです(いや、その花屋、営業していたんかい!ってツッコミ入れましたが(笑))。

ベランダだと水が汚れやすいので定期的な入れ替えが必要ですが、陽当たりが良いのでよく育ちました。繁殖にもチャレンジし、今は4代目のメダカたちが元気に泳いでいます。

また、今回のように隣人と愛を育む経験はかすりもしたことがなく、そもそも隣人の顔を知らなかったです(笑)
今は世帯用マンションで隣人と顔見知りにはなってはいますが挨拶程度ですね。都内だと隣人との付き合いが希薄で良し悪しはありますが冷たい感じは仕方ないですね・・・。


次回のお題にも挑戦します!
引き続きよろしくお願いします!





いいなと思ったら応援しよう!