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ビターな香りのニット帽 #毎週ショートショートnote

人間関係に嫌気が差した私は、大学卒業後は就職せず実家に帰っていた。


半年ほど経ったある朝。


行きつけのカフェの窓際の席でまったりしていると、若いサラリーマン風の男性が注文していた。


注文しながら人差し指で右頬をポリポリかく仕草にどこか懐かしさを感じた。




見かけたその日から男性は毎朝カフェで注文してはいつも同じカウンター席で10分ほどくつろいでから出ていく。


それを毎朝見送るうちにいつしか彼のことが好きになっていた。





バレンタインの日。

私は彼に想いを伝えることにした。


そこで手作りのチョコとニット帽を用意した。


中1の時、当時好きだった男の子に手作りのチョコとニット帽を渡そうとしたが結局渡せなかった。


あの時のように後悔したくない。






彼がお店から出たところで声をかけた。


すると彼が、



「あれ?さつきちゃん、だよね?」



ああもうドキドキが止まらない。




10年越しの恋。

手に持っていた袋の中では、ニット帽とともに香ばしくビターな香りが漂っていた。



(411文字)



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この記事は、たらはかにさん企画【毎週ショートショートnote】参加記事です。
今回のお題は、裏お題【チョコニート】でした。


表のお題【書庫冷凍】はコチラ↓↓↓


バレンタインの思い出、無いんですよね💦
彼女いない時は何も起きませんでしたし、彼女いたときも義務感丸出しでしたし(笑)


強いて言うなら、中1の時、クラスメイトの男子からいきなりチョコを渡され、「え、なにこれ?」と聞いたら、「中3の女がお前の兄貴に直接渡しにくいから弟にお願いしておいてって言われた」と。


自分で渡せやコラー( ゚д゚ )クワッ!!



というドラマチック?なシーンはありました(笑)

たしかあのチョコ、何か腹が立って兄貴に渡さず自分が食べたような食べなかったような・・・🙄



次回のお題にも挑戦します。
読んでいただきありがとうございました🍀



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