物江潤『デジタル教育という幻想 GIGAスクール構想の過ち』一言感想文
筆者は話題を変えながらも、同じことを何度も主張している。川上主導の教育改革が、川下の現場を圧迫していると。川上と川下の空気の違いは、現場では当然のこととしている。教員養成の課程や採用試験でこそ川上の動きや理念は語られるが、現場では川上の指示に振り回される教師たちの姿が散見される。自分もその一人である。もちろん、川上から大量に流される改革の波によってもたらされるものの中には価値のあるものもあるだろう。活用される現場もあるだろう。それでもなお現場の感覚とかけ離れた改革が川上で議論されている感覚は絶えることがない。中でもGIGAスクール構想は、コロナ禍への対応とも相まって、現場に混乱を巻き起こした。美辞麗句が並べられ、教育産業の後押しもある中で、タブレットに振り回される学校現場。もっと大事にしたいことがたくさんある教育者達の想いは川上から流れ来る廃棄物にがんじがらめにされていく。
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