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【短歌】モルタルの校舎に透ける日がきれい だめにならないうちに死にたい


モルタルの校舎に透ける日がきれい だめにならないうちに死にたい


ともだちが一人減るたび親展で封した遺書を一通捨てる


美しく思えるものも垢じみて日々の営為を責めるあさやけ


あざやかに鉄パイプ構え頭上から窮地に降り立つみたいな恋を


わかるよと言われるたびに対岸のあなたの顔がみられなくなる


久々のデートは楽しかったけどそろそろ夢に出るのはやめて


夜行バスのきみはすました顔をして僕との逢瀬を上塗りに行く


絶え間なくめぐる世界に向いてないそれでも生きたなんでうまれた


のどやかにあなたを侵す絶望を釘バットにてちのめしたい


祝福のような呪いを引き受けてさまよう生にどうか祈りを


巡る春に背中を押されそのはずみ、はずみでこの世の外に出れたら



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