「本の旅」の予定
Ray of Letters メンバーシップの「本の旅」プランで取り上げる予定を心の準備のために書いておこうと思う。予定なので変わることもあるかもしれないが、とりあえず直近の予定は以下のような本です。
◾️高群逸枝『女性の歴史(上)』、『女性の歴史(下)』
福田英子の『妾の半生涯』の現代語訳に解説をつけようと思って明治の女性解放運動を調べていて出会った本の一冊なのだけど、読み始めると、これがものすごく広がりのある本だということに気がついた。
◾️幣原喜重郎『新憲法に関する演説草稿』と中野好夫『私の憲法勉強』
この2冊は、前者が日本国憲法を作る側の視点、後者がそんなことが起きていることも知らない民衆の視点から書かれており、対照的で興味深いので、早い目に取り上げることにした。改憲圧力の醸成の裏には、実はリベラルも貢献していることが確認できる。
◾️Noam Chomsky and Nathan J. Robinson, "The Myth of American Idealism - How U.S. Foreign Policy Endangered the World".
チョムスキーの著書や、発言集はたくさん出版されているが、彼は日本の首相のように森羅万象をカバーされているので本としては断片化する傾向がある。一人のチョムスキーファンが、彼の国際政治における考えを体系立てて一冊の本にしたいという願望を持ち、それをチョムスキー自身にぶつけて実現した本がこれだ。
◾️E. H. カー『危機の二十年 - 理想と現実』
古典中の古典の一冊で、かつては国際政治やらなんやらを口走る青い学生なら誰もが読んでいるはずの本だったが、今はどうか知らない。そもそも”国際政治”の学問分野としての成は、この本に始まる。ウクライナや、ガザや、シリアや、東アジアを語るなら、国際社会の歴史に関する最低限の理解が共有されていることが必要だが、この本がその最初の一歩だろう。というわけで、これも早い目に取り上げておこうと思っていた一冊。
「本の旅」の記事は、1ヶ月に1本か2本のペースで進んでいく予定。
既出の記事
No.5 - 2024年12月14日:ノーベル文学賞について
No.4 - 2024年12月12日:ハン・ガン『光と糸』 − ノーベル賞受賞記念講演全訳
No.3 - 2024年11月23日:和辻哲郎 『人物埴輪の眼』
No.2 - 2024年11月11日:『オーウェル評論集2:一杯のおいしい紅茶』
No.1 - 2024年10月24日:『妾の半生涯』 福田 英子
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