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【詩】批評家とオブザーバー

今日はやけに
頭の中の批評家がうるさい
表現した言葉について
欺瞞だとか
偽善だとか囁いてくる

彼は絶えず判断をする
為すこと
思うこと
話すこと
あり方に至るまで
分析し
解説を加えなければ気が済まないみたいだ

音声のスイッチをオフにせよ
その声に耳を傾け続ける必要はない
批評家はあらゆる物事について
比較したがっている
その声ははっきりとして饒舌で
表現も大袈裟だから
ついつい洗脳されてしまうんだ

欺瞞でも偽善でも
そんなのはどちらでも良い
なにかと比べることもいらない
言いたい人に言わせておいたらいい

いまはただ
素直なこころで
あるがままを見つめていたい
華美な表現も
事実の歪曲もせず
いまこの瞬間に目を向けて
静かな気持ちで世界を眺める
オブザーバーでありたい

こころを侵食する思考を追い出すのは
雪かきをするのに似ている
やむことなく
降り積もる雪たちを
掃き清めておくこと
終わりのない作業
気づきと手放しの繰り返し

そうやってできるスペースに
着想のタネは撒かれる
創造性を胚胎させるための
まっさらな土地を用意しておこう
内側の風通しをよくして
ゆったりとしたこころ持ちで

(※オブザーバー=観察者)

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