【読書記録】『スター』著者:朝井リョウ
こんにちは、YOSHIKIです。
今回は初めての読書感想回で、作品は『スター』(朝井リョウ)です。
現在、ヨーロッパ一周の旅の真っ最中ですが、その途中の移動はあまりにも長い(バスの移動は平均6時間、長いところで8時間半とか、、、、)ため、その時間を潰すのに大活躍しているのが相棒のKindle(yoshiKindle)です!
ヨーロッパにきてからも何冊か読み終えているのですが、せっかくだから読み終えた本で描きたい!!って思った本から残したい!!と思った部分をピックアップしてnoteに記録をしていきたいと思います。
さて、本編になりますが、改めて今回の作品は、『スター』(朝井リョウ)です。
朝井リョウさんの作品は、これまで『正欲』、『何者』、『ままならないから私とあなた』の3作品を読んでいて、これが4作目です。
初めての読んだ作品は『正欲』でしたが、あれを読んだ時は心がキュッと縛られたような気持ちになりました。
現代の“多様性”に視点を当てながら、色んな人の視点と角度からどんどんと本質に迫っていき、そのテーマ的にねっとりとした感覚を味わったのが懐かしいです。
日常では、なかなか言語化できない(いや、そもそもしようと思ったことがない)現象や感情を、うまく心理描写や登場人物の視点の動き(例えば、「向こうで店員さんが、こちらのテーブルにチラリと視線を飛ばす」とか会話中の2人とは関係なさそうな第三の要素を入れてきたりします。)を交えながらよりリアルな状況を語られる文章体が特徴で、これまでにない読書体験を味わえるのが朝井リョウさんの作品です。
今回の『スター』に関しても、やはり朝井リョウさんらしい作品で、現代の映像作品の移り変わりというテーマを2人の違う視点から繋げていく流れから作中で読者に答えを与えることはせず、多くの問いを与えてくれるそんな作品でした。
また、結末もいい意味で中途半端な終わり方をしていて、(Kindleで読んでいたため)「えっ?終わった??🤔」という感覚になりました。(紙で読んでいたら、もうそろそろ終わるな〜と予想がつくものですが)
それでもその続きに関しては、読者であれば大体こう予想するだろうな〜というものでしたので、これから良い方向に進むといいなという願っている自分がいました。
内容に関しては、あらすじを載せておきます。
読後の感想としては、とってもに面白っかた〜!!です。というか、朝井リョウさんやっぱりすげ〜!!!って感じでしたが、あえてそれを言語化するのであれば、
本作は、あらゆるものの価値観の尺度が一変する作品で、日々変わりゆく社会を違う別の視点から見ることの大切さを教えてくれるものでした。
新しいものや古いもの、大きいものや小さいもの、無料プラットフォームと有料の劇場など、自分が信じるものの大切さやそこに固執することで得られるものがあるというのは感じますが、現代では新しいものが出過ぎて自分の信じた道のみを進むことが現実的に難しくなってきている気がします。
私はその例として、大工や工芸品などの職人さんは「信じた道をとことん進む人かな〜??」と読んでいる最中に思っていました。
それは、小さな工務店や工房が巨大ハウスメーカーや大型日用品店舗に脅かされているという現実があるからです。
でも実際には、職人さんには職人さんなりのやり方があり、「信じた道のみ」というではなくいいとこ取りもしていると思うので、これは全然悪い意味ではないです。
もっと言えば、そういう職人さんの「越境したもの」には、それ自身に価値が十分にあり、それを求めている人も多く存在すると思っています。
ただ、それを知ってもらうための(大型メーカーや店舗に負けないくらいの)PRやSNSでの宣伝などが必要になってくると思うので、職人さん自身も新しい何かを受け入れてどんどん取り入れていくものが必要なのかも知れません。
これが本質ではありますよね。何事も。
やり続けることの大切さや信じるものを貫きたい気持ちの葛藤が本作中に何度も出てきます。
でも、自分の信じるものを貫くことができる人は本当に強いなと思います。
あくまでも、色々なやり方や視点がありそれを認められた上でですが。
私自身にそれはあるのだろうか?
そんな疑問が頭に浮かんできます。
今はせっかく旅に出ていて、ヨーロッパの色々な景色を見ることができているので、答えのないことをもっともっと考えていきたいです。
趣味読書になってから数年が経ち、かなり多くの本を読んできましたが、こうやって発信することでより本の内容を吸収し血肉に変えることができます。
今後もいい本との出会いがあったら、どんどん共有していきます!
では、また次回の投稿でお会いしましょう♪
bye👋