新しいポジションで大切なこと!Vol.7 組織の成功循環モデルの勘違い
今回は、組織の成功循環モデルにシフトすることでよくあるリーダーの勘違いをお伝えします。実は私も勘違いをしていました。(汗)
関係の質を高めることは仲良くなることじゃない!
組織の成功循環モデルにシフトするために、「まず、関係の質を高めていきましょう!」とお伝えしてきました。すると、こんな感想をいただきます。
「メンバーと仲良くすればいいんですね!」
「メンバーから好かれるようになればいいんですね!」
しかし、メンバーと仲良くしようとしたり、メンバーから好かれようとしたりすると、リーダーとして伝えるべきことが伝えられなくなり、求める結果を出せなくなってしまいます。
実は、私も最初はそうでした。
「メンバーの話を聞けばいいんだ。やりたいようにさせればいいんだ」という具合に、優しいリーダーになろうとしていました。
和気あいあいのチームになるのですが、思ったような結果は出せませんでした。
しばらく悩んで末にある事件がきっかけで、私はリーダーとして伝えるべきことを伝えていないことに気がつきました。メンバーに好かれることが関係の質を高めることだと勘違いしていたのです。
情けない話ですが、メンバーから嫌われてはいけないという気持ちが強く、リーダーとして結果を出すという覚悟がなかったのです。
リーダーは結果にコミットメントする人
リーダーの仕事は結果を出すことです。
だから、リーダーは、「この結果を出すぞ!あなたには、この仕事をやってもらいたい!あなたには、こうなって欲しい!」とはっきり伝えなくてはなりません。
メンバーが不安にならないように、ゴールや役割を伝える工夫は大切です。しかし、最も大切なことは、はっきり伝えることで、メンバーやチームの雰囲気が険悪になったとき、その険悪な雰囲気を放っておかないことです。
メンバーが何を感じているのか、どうしたいのかを知ることができれば、その険悪な雰囲気が結果を出すための真剣な雰囲気に変わっていきます。
しかし、多くのリーダーは、その険悪な雰囲気に気づかないか、気づいてもそのままにしてしまいます。このリーダーの態度は、メンバーのモチベーションを下げ、関係の質も下げてしまいます。これでは求める結果を出すことはできません。
沈黙から本音の話がはじまる
険悪な雰囲気になったときは、メンバーと本音の話ができるチャンスです。
ただ、「本音で話せよ!」と言っても、メンバーは本音を話すことはありません。
『リーダーの言っていることがわからない。意見を言うとダメ出しされる。リーダーに不満を感じている。意見を言うと責任を取らされる』という不安や恐怖をメンバーは感じています。
だから、何も言えない沈黙が続きます。
沈黙が続くと、多くのリーダーはメンバーが困っているんではないかと不安になり「ごめん、私の言い方が悪かったかな」と自分の伝えたことを撤回したり、「なんで、黙っているんだ!」と怒りをぶつけたりします。
これでは、メンバーは、リーダーを見下すか、リーダーに恐怖を感じて本音を言うことはありません。
険悪な雰囲気になったときは、焦りや怒りがない平穏な心(ニュートラル)な状態で、沈黙を守りましょう。メンバーの目を見て、大きく頷き、「私は待っているよ!」という大らかな気持ちでメンバーの答えを待ちましょう。
メンバーは、そんなリーダーの態度に心が動き、「何を言えばいいんでしょうか?」「私は、こう思います。」と反応してきます。
そのとき、リーダーは口を開いて、「もう一度言うね」と伝えたいことを繰り返したり、「あなたの考えは、そうなのか」とメンバーの考えを受け止めたりします。
そこから、本音の対話がはじまります。このとき、結果につながる関係の質が高まっていく瞬間です。
結果を出すためには、関係の質を高めることが大切です。しかし、結果を出すためには、厳しさを追求しなくてはなりません。厳しさを乗り越えるリーダーの覚悟が必要になるのです。
今回は、『組織の成功循環モデルの勘違い』をお伝えしました。
いかがだったでしょうか。
さて、今回の質問です!
「メンバーと沈黙の対話をしていますか?」
次回に続けます!お楽しみに!!
拙著「部下が変わる本当の叱り方」明日香出版社を読んでいただけると、沈黙のスキルをより学ぶことができます。