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勝手に自己判断してトラブルを起こす社員への対応法

◆本人の中に何が起きているのか?



ある企業の幹部からの相談です。

「自己判断で行動しトラブル発生時も
 エスカレーション(上司への相談)なしで
 自己解決しようとしますが、
 結局自分で解決できずトラブルが発生してしまいました。
 こういう社員にはどう対応したらいいでしょうか?」

読者の皆さんならどんなアドバイスをしてあげますか。

上司の知らないところでトラブルが発生していたら
本当に困りますね。

所長時代の私だったら
「何をやっているんだ。勝手に判断して行動するんじゃない!」
と怒りまくっていたかもしれません。
また、そんなことが続けば仕事をさせないようにしたでしょう。

昔の私はパワハラでしたね(苦笑)。
読者の皆さんにはそうなって欲しくないので
社員が戦力になるようにどうすれば良いか考えてみましょう。

◆『泣いて馬謖を切る』から学ぶ



まず、本人の中に何が起きているのでしょうか?
また、何がそうさせているのでしょうか?

『泣いて馬謖を切る』という格言があります。

これは『今でいえばどんなに親しい間柄でも
ルールや規則を破れば厳しく罰しなければいけない』
というように解釈されています。

なぜ、この格言が生まれたのかというと
三国志時代、諸葛亮(しょかつりょう・孔明)は、
後継者として期待する超優秀な部下の馬謖へ、敵と戦うために
「陣地を山の上に築いてはいけない」と何度も指示をしました。

馬謖は分かりきっていることを何回も言われて腹が立ったのでしょう。
『私を馬鹿にしないでください。他の方法で勝ってみせるぞ!』と。
だから命令違反をして陣地を山の上に築いてしまいます。

しかし、諸葛亮の考え通り
敵に陣地を包囲されて戦に負けてしまったのです。

いくら愛弟子であろうと命令違反したものは厳しく罰しなければなりません。
諸葛亮は泣く泣く馬謖を処罰しなければなりませんでした。

それで『泣いて馬謖を斬る』という格言が生まれたそうです。

あくまでも仮説ですが、
勝手に自己判断してトラブルを起こす社員も
馬謖と同じようになっていないでしょうか。

◆一緒に仕事がしたいと思える関係性になっていますか?



本人は自分では能力も自信もあると思っているのに
上司からは評価されていないと思っているかもしれません。
だから、一人でやって自分を認めてもらおうと思ってしまう。

もし、そうだとしたら
普段のコミュニケーションや仕事の任せ方を見直す必要があります。
この上司と一緒に仕事がしたいという関係性をつくりましょう。

例えば、普段からこんなコミュニケーションを意識してください。

笑顔で挨拶する「おはよう!こんにちは!」
当たり前のことをねぎらう「おつかれさま。ごくろうさま」
言ってきたことを共感する「そうなんだ。いいねー!」

いいところがあれば喜ぶ「すごいね。素敵だね。素晴らしいね」
上手くいけば驚く「すごい!やるね!できるね!」

仕事を任せるときもその内容を明確に伝えてあげましょう。

例えば、何のためにやるのか(目的)
いつまでどのぐらいまでなど(ゴール)
何が使えるのか(リソース)
置かれている状況(条件)
乗り越えて欲しい課題(期待)

◆本人の認識を確かめる



その上で今回のトラブルも含めて
本人がどう認識しているのか確かめてみましょう。

経験や価値観が違う上司と部下の間には
必ず物事の捉え方の違いが生まれます。

例えば、安さ、速さ、丁寧と言った言葉も
それぞれ認識が違ってくるのです。

対話を通じて上司と部下の認識のズレを確認していきましょう。
多くの上司は認識のズレを否定しがちですが
ここでは相手を知るために我慢強く部下の話を聞いてください。

さらに会社のビジョンミッションを目指す前提で
どんな考えや行動が最適なのか一緒に考え
本人が腹落ちするまで丁寧に対話を繰り返してください。
面倒くさいことかもしれませんが最も重要なことです。
同じ失敗を繰り返す社員のままでいるか
優秀な社員として活躍してくれるかの境目になります。

◆今回の質問

【トラブルを起こす社員の中に何が起きているのでしょうか?】

次回に続けます!お楽しみ!

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吉田裕児@人と組織を咲かせる人財育成コーチ
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