人生100年、動ける身体とは③ 〜歩行練習でやってはいけないこと〜
⭐️つかまり立ちできたら歩ける
特養ホームやデイサービスのご利用者で、
車イスでも自分で数歩歩ける方、つかまり立ちができる方は訓練次第で歩けるようになる可能性がかなり高いです。歩けるようになるまでの訓練方法がある事、歩行に対してのメカニズムをご本人だけでなく介護者も知らないため、車イスを使い続けている方がおられます。「車イスでの移動」と「歩ける」は生活が全く変わってきます。
歩くという動作は移動手段だけでなく、生活の質や脳の機能にも大きく影響します。
歩けなくなるのは、下肢の筋力低下よりも『脳の歩くための制御機能』が崩壊したため。簡単に言うと「歩き方を忘れた」ためです。歩く動作は上肢と下肢の協調、連動して行う運動の為、筋力ではありません。
正しい介助、歩行訓練で歩けるようになる可能性はとても高くなります。
⭐️歩行訓練でやってはいけないこと、無駄になってしまうこと
まずは歩行練習でも、もったいない方法でやらないように確認していきましょう。下記に記したようにやってはいけないこと、無駄なことをしていないか確認し、今後の歩行訓練に役立てていただけたらと思います。
①手引き歩行
特養ホームやデイサービスでよく見られる手引き歩行は、歩行能力の進歩には役にたちません。歩行は両下肢で全身を支えながら前進していく運動です。手を引くことで他人が前進成分を奪うことになってしまううえに、手を引く人がいないと歩けなくなります。手引きで歩けるなら歩行器や杖で歩くのは容易で、介護側の考え方の問題もみられます。
②関節可動域訓練
歩けない人で下肢に拘縮をきたしている場合がみられることがあります。歩く運動をしないから拘縮の発生、悪化を招くだろうとの考えのもと、ベット上での関節可動域訓練をされている方をみます。ベッドと車椅子の生活をそのままにしていて、訓練をしても、拘縮の改善も予防にもなりません。
③平行棒内歩行訓練
この訓練は①毎日②段階的に歩行距離を伸ばす③平行棒から杖歩行などの屋内歩行へと発展的なプログラムの出発点として、はじめて効果があります。週に1〜2度の平行棒内訓練や発展的プログラムをもたないものに成果は得られないし、実用化も得られないです。
上記のような歩行訓練は見直していきましょう。
⭐️素敵なエピソード⭐️
・歩けるようになった事で、今まで自身でトイレに行かれなかった方が訴えるようになり、介助交え行くようになった。最終的にはおむつが外れる
・歩行練習を重ねるうちにほぼ決まった時間に排便がみられるようになった
・拘縮した膝が、介助して歩行器で歩くうちにほぼ正常に近い角度に改善した
このようなエピソードもあります。歩けるは自立できるADLがほとんどであることを感じました。
次回は歩行練習の前のテストや歩行練習の内容を掲載していきます。
ご自身、またはご家族、ご利用様の生活の質が上がり、素敵な人生がおくれるように、少しでもお役に立てれたらと思います。
⭐️自宅でできるYouTubeトレーニング⭐️
↓↓↓ヒップアップトレーニング