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工業立国の土台、明治日本の産業遺産

先日、東京新宿区にある産業遺産情報センターに行ってきました。大江戸線「若松河田駅」から徒歩5分位のところにありました。このセンターは、九州・山口を中心に静岡県伊豆の国市、岩手県釜石市など8県11市に分布する23の『明治日本の産業革命遺産』で構成されています。

これらは、製鉄・製鋼・造船・石炭産業において、急速な産業化を成し遂げたことを証言する遺産群であり、23の構成資産全体で一つの世界遺産としての価値を有しています。

この産業遺産情報センターは、それら地域に所在するビジターセンターの中核センターとして、各地と連携して、明治日本の遺産のもつ歴史的価値を紹介しています。なお、2015年にユネスコの世界遺産に登録されました。

https://www.ihic.jp/l/ja-JP/

なお、同センターは調査研究機関としての機能を有し、国内外の産業遺産並びに産業史の史料収集、調査研究、広報活動、インタープリテーション、教育・研修、保全と活用、デジタル文書化などの事業を推進し、情報発信を行っているそうです。

このセンター内には、ゾーン1からゾーン3までありました。

ゾーン1は導入展示として、「明治日本の産業革命遺産」の概要、世界遺産に登録されるまでの道のりを紹介しています。また、体感型マルチディスプレーのパノラマ展示により、各構成資産の歴史などについて解説されていました。

ゾーン2は、メイン展示になり、産業国家への軌跡を紹介しています。幕末から明治にかけては、西洋科学の情報が限られていた揺籃の時代とでも言える時代でした。試行錯誤を繰り返しながら、わずか半世紀で人材を育成し、製鉄・製鋼・造船・石炭産業の重工業の基幹産業における工業立国の土台を築いていきました。その急速な産業化の道のりを紹介しています。

写真や映像をふんだんに用い「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産価値と23の構成資産の世界遺産価値への貢献や構成資産の歴史全体について幅広く理解できるよう、工夫された展示になっていました。

ゾーン3は、産業と暮らしを紹介する資料室となっていました。モニターや体感型マルチディスプレーなどを設置し、多様な情報を提供しています。各種デジタル機器を用いて、産業労働などに係る出典の明らかな一次資料、二次資料、そして証言を多数紹介していました。

特に、隣国から批判がある軍艦島として知られる「端島炭鉱」の展示については、圧巻でした。あの小さな島の中に、端島城下町とでも言えそうな一つの世界がある。炭鉱を中心として島民の生活があり、学校から商店や映画館、日常生活が営まれていたことが良くわかりました。当時端島で働いていた人たちの証言なども展示されていて、それを実感しました。


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