「本棚の変遷」と「大好きな作品」の紹介だよ
最近出会った好きな言葉。
noteをはじめて、価値観や物事への向き合い方に共感できる人にたくさん出会えました。
中でも、選びとる本によってその人の心のカタチが分かったり、読む本がたくさん一致する現象が起きたり。
そして、お友だちnoterさんに本棚紹介のリクエストをいただきました。そんな嬉しい機会を存分に活かして、ぼくの最近の本棚と大好きな作品を紹介していきます!
(リクエストいただいてから、めちゃめちゃに時間が経ってしまっていてすみません…!)
同じ本を読む遠くの誰かと、また出会えますように。
社会人3年目くらいの本棚
圧倒的にメンタルとコミュニケーションの本が多い。ぼくのnoteを読んでくれている人は「この人エッセイとか小説好きなんだろうな」と思われてるかもしれない。けど元々は全然読まなかった。
昔に仕事でメンタルが潰れそうで、すがるようにしてたどり着いたのが本だった。自己啓発本を読めば、そこには師匠となる人がたくさんいて、幾度となくぼくを救ってくれた。
元々はそんなふうに、「自分の弱いところを強くしてくれる存在」がぼくにとっての本だった。
それにしても「どんだけメンタルとコミュ力鍛えたいねん」といったラインナップ…(笑)。
社会人4年目くらいの本棚
エッセイや小説が増え始めてきた。元々は「克服したいことがあって、その知識を強化するための本」という目的意識が強かった。
けれども、だんだんと本を読むという行為自体が好きになってきた。「自分が心地よい感情になれる本を読みたい」という風に、読書自体が目的になってきた頃。
恥ずかしいけど、この頃noteを始めたのでライティング関係の本が増えている。なにごとも本で基礎力を蓄えてから取り組みたいタイプ。
社会人5年目くらいの本棚
色んなジャンルが混じり合ってきた。というのも、この頃から選書サービスを使ったり、読書会で知り合った人にオススメされた本を読んだりしているから。
あと転職を始めた影響で、転職関連の本を読みまくっている。「1つの分野について詳しくなるには、それに関する本を10冊読め」という言葉が好きで実行した結果。
一見すると意識高い系にも見える本棚だけど、メンタルとか詩集とかが垣間見えて「意外と繊細な心の持ち主ですね」ということがバレてしまうラインナップ。
本棚の変遷を見ているだけでも、自分の心のカタチと読書に対する向き合い方の変化がわかっておもしろいね。
最近はエッセイと小説の割合が増えてきているけど、図書館にリリースなので本棚には残らないかも。
大好きな作品紹介
続いて、本棚の中でもお気に入りの子たちを紹介していきます。
《頑張る自分を好きになる部門》
「運命の恋をかなえるスタンダール」(水野敬也)
【あらすじ】
【好きなセリフ】
スタンダールが悩む聡子を勇気づけるために放ったセリフ。自分にもストレートに着弾した。恋愛がうまくいかなかったぶん悩んだし、人の感情に苦しんだけれど、それが今の感受性を育てる養分になったんだって。過去の自分を救ってあげられる言葉。
【作品の魅力と好きな理由】
水野敬也さんと言えば、「夢をかなえるゾウ」。スタンダールはあまり知られていないのでは?
簡単に言えば「夢をかなえるゾウ」の恋愛版。「不思議な師匠」と「努力で乗り越える主人公」の構図。もうね、このスタイルが好きなんだよね。
目の前に立ちはばかる壁を、二人三脚の努力で乗り越えていく感じ。しかも今作は恋愛がテーマなので、「壁」というのが魅力的な異性だけではなくて、「コンプレックスを抱えている自分自身」にもなっているのがポイント。
「嫌いな自分」って、最近は「そこも含めて受け入れようね」という風潮が多い気がする。それもとっても大事なんだけど、「好きな自分になるためにもがき苦しむ」というプロセスも必要ではあると思っていて。
そんな息苦しい奮闘を、スタンダールの実用的かつコミカルなアドバイスで一緒に乗り越えさせてくれるのがこの作品。
「最近、何かに向かって頑張れてないな。今の自分が好きかと聞かれると不安だな」というときに読み直して、心のガソリン補給をしている。
そして「本は強力な味方なんだ」って思い出させてくれる。何度だって、本を開けばスタンダールに会える安心感が、人生のおまもりにもなっているかも。
《日常のささやかな挑戦をしたくなる部門》
「100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか」(与謝野)
【あらすじ】
【好きな表現】
ファミマの愛想がなかった店員さんと、徐々に仲良くなっていく頃の日記。最初にそっけない人ほど、攻略できたときにテンションが上がる「どう森あさみさん現象」を的確に捉えていて、もだえるような気分になる。
【作品の魅力と好きな理由】
noteでめちゃくちゃバズった記事の書籍化。知っている人も多いのでは?
なかなかユニークな挑戦をする著者だけれど、日記の節々に穏やかで優しい心の持ち主だということが垣間見えてほっこりする。
特にローソンのお姐さんと仲良くなっていく過程が大好きで、「本当にコンビニ店員とのできごと?八百屋じゃなくて?」と錯覚するくらいハートフルなできごとが起きていく。
ささやかに仲よくなっていくストーリーがくすぐったくて心地よい。
この作品には多大な影響を受けて、「店員と仲良くなるドリーム、人生に起こしたい!」と当時のよさくの足を動かした。
その結果、4年間通ったカフェの店員さんに転勤のお別れを告げたり、カレー屋の店員さんと仲良くなって一緒に野菜の収穫に行くというプチ奇跡を起こした。
「絶妙な距離感の中で、徐々に仲良くなっていく」という状況に無性に惹かれてしまう性格なので、気に入っている作品。これを読むと、小さな世界を動かすチャレンジをしたくなる。
全文もしくは総集編がnoteで読めるので、気になる方はぜひ。
《もう学生みたいな恋はできないと切ないながらもキュンキュンしちゃう部門》
「ねぇ、委員長」(市川拓司)
【あらすじ】
【好きな表現】
わたしと鹿山くんの距離が近づいていくも、2人を取り囲む環境が違うことから、親や先生に反対され始めたときの主人公の気持ち。
切なすぎない?なにこれ。そして自分を守るたびに何かを失い、大人になっていくという痛みを伴った感情が胸を突き刺す。(アラサーに2000ポイントのダメージ)
突き放されるほど、相手のそばにいたくなるほどに深い恋愛ってもうできるんですか…?と胸が締め付けられてしまう。
【作品の魅力と好きな理由】
学生恋愛を3遍収録した小説集。選書サービスで出会った。3作品とも、「真面目で優秀な主人公」と「不真面目だけど才能を秘めているヒロイン」の恋愛模様を描いている。
あまりにも似たような構図で「作者、このスタイルの恋愛好きすぎない?」と思わずツッこんでしまう。けれども、全部心にクリーンヒットした。
どの作品の主人公も、どこか不器用なところがあったり、素直になれない一面が潜んでいる。でもそんな心の穴を、少しずつ互いに埋めていこうとする過程が、苦しくも美しい。
2人の心のデコボコが合わさりそうになっても、学生だからこその自意識や周囲の目線が壁となる。そんな触れるか触れないかの緊張感が、文字を通して心に直接訴えかけてくる。
「もうこんな恋愛できないよぉぉぉぉ」と23回くらいもだえた。カフェで読んでいたから自制心を保っていたものの、家だったらベッドでのたうちまわっていただろう。
日々の生活でキュンキュンが不足している方はぜひ。
終わりに
改めて本棚の変遷を見て「読書に対する価値観が変わってるなあ」と思いました。本を読むことで心のカタチが変わっていて、選ぶ本も合わせて変化をしていくような感覚。
あと、自分の本棚を紹介するのってくすぐったいですね。まるで自分の心をまな板に載せているよう。
自分の本棚を通して過去の自分と対話したり、心に残った本を紹介することで価値観を再確認したり、自分の心という道具箱から色々な感情を取り出した気分です。
こんな素敵な機会を作ってくれてとってもとっても感謝しています。あなたの本棚も、すごく知りたい。
そしたらもっと、心の輪郭が見えるような気がしています。