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川
2023年12月20日 23:39
さざなみに洗われ転がるまるい石 蹴飛ばし届くか遠く灯台波打ち際、走り去る大型犬 しっぽの影がゆらゆら揺れる髪をさわる 風が吹いては何度もさわる 意味はなくとも必要だった地平線、コートの裾がなびいて消える 小舟の青、灯台の白つよく吹く潮風に目がしみる 滲んだ目尻はそのままでいい焦がれていた、ファインダー越し橙の陽 輪郭ぼやけて夢うつつ日和さよならと言わないままで手を振った 絡
2023年9月29日 23:19
おなじ月、あなたは見上げていましたか。降り注ぐのは、月までの距離やわらかく静かに浮かぶ月のなか映るまぼろしあなたの瞳雲隠れ 見えなくなって手を伸ばす 光のなかに立っていた彼天高く飛んだあなたの後ろ髪 月に届いて秋夜を包む煌々とひかる彼の生き写し 今夜だけは空に住みたいこんばんは、生きていますか。空に問いかけ、深呼吸する
2023年6月1日 20:57
爪の垢煎じて飲みたいわけじゃないその心臓を鳴らしたいだけチャイティーラテあの人も好きだったよな ぴりっと辛い冬の残り香五月雨のなか歩いたあの人はどこへ向かうか無人駅の屋根いつの日か終わる君のはじまりをそっと見詰める私も終わる花開く薄紅色を空へ差し青く居た日々脱ぎ捨ててゆくさんざめく歓声採光あざやかに届かぬ距離の愛しきことよ星が降る潤む黒目は流星群ちりばめ星彩何億光年惹か