まだ夜は明けないけれど、朝日を待っている
今年の夏、恋人と別れた。
一つ前の記事にもあるように、
私は未だ、未練があって泣いている。
もしこの記事を読んでいる人で
別れた恋人や忘れられない人がいて
前に進めないことに明けない夜に泣いているとしたら
是非、最後まで読んでほしい。
もしかした、ほんの少し、
安らかな気持ちで眠れるようになるかもしれない
そんなことを願って、綴ろうと思う。
彼と別れてもうすぐ半年になるけれど、
一向に彼を過去の人にできない。
実ることのないような都合のいい関係を
受け入れてしまうような恋愛ばかりで
愛と依存を履き違えてきた人生だったので、
彼のような人は初めてだった。
大好きな人と付き合うことがこんなにも幸せだってことを知った。
会いたい気持ちでなんでも頑張れたし、
彼の恋人として生きる世界は輝いていた。
大切にしたいと思えた恋だった。
私の衝動性や心の問題に巻き込んで縛りつけるような恋ではなく
ちゃんと向き合って自分の問題は自分で解決して、
二人の時間は幸せでいっぱいにしたいと、
心底思っていた。
結婚も子供も考えない人生だと思っていたのに
彼と普通の幸せを日常を
ずっとずっと続けたいと思っていた。
撫でてくれる彼の手や、
抱きしめてくれた体温、重み、匂い
彼の目が大好きだった。
世界で私だけに許しているような優しさが大好きだった。
彼のそれを、愛だと思っていた。
信じていた。彼の幸せをいつだって願ってしまうような幸せな時間だった。
「好きになれなかった」なんて理由で振られるまでは。
確かに、好きになったのは私だったし
頻繁に愛を口にするような人ではなかったけれど
じんわりとゆっくりと彼が大切にしてくれていたことや
たまに好きだと言ってくれたこともあった。
だから、きっと、どっちも本当なんだと思う。
真面目で、正直で、頑固で、優しくて、そういう人だから。
そう言うところが、好きだったから。
嘘だった、なんて思えなかった。
きっと、一緒にいた瞬間は、好きだと思ってくれたんでしょ?
だけど、離れた時間、一人になって真剣に考えて、思ったんだよね
私の好きと、自分の好きは重さが違うって。
騙してくれてよかったのに。
私を利用して、愛されていればよかったのにって思ったけど
私の好きになった彼がそんなことしないってよくわかってる。
自分に正直で優しくて、残酷な人。私の大好きな人。
付き合っていたのはひと夏だし、大した思い出もないけど
だから、あの夏に戻りたくて仕方ない。
ただの日常のような日々だったけど、
今まで過ごした日常の中で一番幸せに満ちていた。
それは私だけだったのかもしれない。
でも、私は、確かに幸せだったから、戻りたかった。
彼がいないとわかっていたら、秋も冬も来てほしくなかった、春だって、いらなかったのに。
これは、我儘。そして依存の始まりだってこと、よく知ってる。
復縁って言葉は過去に戻るためにあるんじゃない。
未来に進むための言葉だから。
私はきっと復縁を望んでいるんじゃない。
彼と過ごした夏に戻って、どうにか彼を誤魔化して、夏をこえて
秋に公園を歩いたり、冬になったら温かいココアを一緒に飲みたかった。
別れなんてなかったことにして、
今も彼と生きていたかった。
あの日から、色んな方法でこのぽっかりあいた穴を塞ごうとしているけど
どんなことをしても、きっとダメだってわかってる。
ここは、あなたでしか埋められない。
それも、あの夏のあなたじゃないと。
私たちは、色んな傷を抱えている。
いくつも穴の空いた心を抱えている。
埋めようとするけど、その度に虚しくなる。
だから、もう、埋めようとしたりしない。
寂しいことから逃げない。
今でも、彼を愛していることから逃げない。
忘れられない、会いたい、まだ、好きだよ。
別の何かや、誰かで埋めらるような恋じゃないから
きっといつかまた誰かを愛せた時も
この心臓を抱えて愛する方が良い。
貴方の思い出は私の中にずっとある。
だけど、きっと、また新しい思い出もできる。
その時は傷も痛まなくなって、跡になっているだけ。
もし、復縁できるなら、夏をやり直せるなら、何度も考える。
この先もしばらくは囚われて生きていると思う。
他の誰かと出会って幸せになっているかもしれないけど。
今はまだ、わからないし、前も向けない、悲しいし寂しい夜ばかりだけど
私のために、大切に生きる。
嘘つきだとか、最低だとか、優しくないとか、そんなふうに憎んだりしない
したくない。
好きだったから別れたことを忘れない。
大好きな人だった。
だから、引き摺るのも仕方ない。
そう受け入れて、少しづつ、前をむく。
未練も、失恋も、寂しさも、何ひとつ悪いことじゃない。
それだけ愛していたし、後悔もしているし、幸せだった。
自分があんなふうに幸せになれることも知ったし
自分の問題と向き合って、依存せずに愛そうとすることもわかった。
貴方のおかげだったことが山ほどあるから
きっと、大丈夫になれる日がいつかは来るから。
それまでは、思い出させて。
宝物になって海の底に眠るまで。
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