
詩:影に隠した嘘と澱む朝
「夕方になるのが遅いね」
そんな話をしていたから
多分夏の始まりだったと思う
そんなに明確ではないけど
伸びた影に君のついた幾つもの嘘を重ねた
濃くなる程その深さに目眩がする
知ってる。その笑顔も嘘な事
その笑顔の先にあの子がいる事
知ってる。知ってるの
だから私は、期待する事を辞めた
君に話していた日常も
焦がれる気持ちも
君の思いも知らない
夜中1時の電話も見ないふり
だって会いに来てくれると期待するから
期待の分、裏切られるのではない
期待の分、好きという現実を突きつけられる
期待の分、辛くなるのではない
期待の分、君が欲しくてたまらなくなる
だから私は、期待する事を辞めた
...ね?
そうすると君は私を追いかける
あの子より私が欲しくなる
手離したくないから本当の笑顔を私に向ける
駆け引きなんて果てしなくくだらない
でもくだらない事をしてでも
私は君の声が欲しいの
私だけを見て欲しいの
君じゃなきゃ嫌なの
知ってるなら早くこっちにきて
その声で私の身体を充満させて
幸せとは程遠くても
どうしようもないの
掛け値なしのこの気持ち
一体君はどうしてくれる
愛憎と愛執にまみれた私と一緒に
濡れて溺れて一夜を澱まそう
もう真っ白だった2人は過去形だ
詩のような何か。
実体験の切り取りです。
駆け引きなんて本当にくだらないです。
やるもんじゃないです。