読まれる記事は、タイトルに「自分の話」を入れない
これは、人気ネットメディア「デイリーポータルZ」編集長の林雄司さんがnoteのイベントで言っていたことです。
サムネイルの左が林さん。右はnote代表の加藤貞顕さん。
おもしろい記事を書きたい、それをたくさんの人に読んでもらいたいと考える人は絶対に見たほうがいい内容です。
イベントの中でグッと引き込まれたのは、「記事のタイトルのつけ方」について。
林さんは「記事のタイトルで自分の話をしていいのは、宇多田ヒカルとイチローだけ」だと言っていました。
タイトルは入り口なので、広ければ広いほどいい
たとえば「こんにゃくが好きな私」という記事を書いて、それをたくさんの人に読んでほしい場合。
宇多田ヒカルやイチローなど、いわゆる有名人ならそのままタイトルにできます。
すでに有名で、注目度が高いから。ぶっちゃけどんなタイトルでも読んでもらえます。
でも、駆け出しだったり、フォロワーが少なかったりするふつうの人が、「こんにゃくが好きな私」と自分の話を入り口にしたらダメ。
いきなり自分の話で始まっちゃうと、だれも読んでくれないのです。
林さんは、編集長としてライターによく「タイトルは一般性を持たせて」とコメントするそうです。
一般性を持たせるとは、「だれでもわかる広さがある」こと。
タイトルに一般性を持たせ、リードで「私」の話をする
一般性を持たせた、「だれでもわかる広さがある」タイトルとはどんなものなのか。
こんにゃくの記事では、林さんはタイトルを「こんにゃくを食べられる店がある」にすると言っていました。
そしてリードの1行目に「私はこんにゃくが好きだ」と書く、と。
こんなイメージです。
ポイントは、タイトルにした「こんにゃくを食べられる店」は実際に存在していること。
実際に存在しているものは、一般性が高いです。
「一般性」は聞き慣れない言葉ですが、具体的にはスターバックス、マクドナルドなどのどこにでもある店や、信号機などのだれでも見たことがあるもの。
みんなの頭のなかにパッとイメージが浮かぶものをタイトルにすれば、スムーズに記事に入っていけるのだそう。
お手本は、この「下着の代わりに水着を着て会社に行くとめちゃ楽しい」という記事。
小中学生の頃、水泳の授業があるときに前もって水着を着ていった経験、ありますよね。
これは一般性の高い、だれもが一度はやったことがある体験ではないでしょうか。タイトルにぴったりです。続くリード文で、自分の話をする。
もしこれが逆で、「私は服の下に水着を着るプールの日が好き」みたいな自分の話をタイトルにすると、記事の入り口が狭くなります。
するとハードルが高くなり、結果的に読んでくれる人が限られてしまうのです。
読まれるか読まれないかは、タイトルにかかっている
自分では気に入っている記事なのにあまり読まれない、スキも増えない…それはタイトルが「自分の話」になっているせいかも。
わたし自身もよくあることなので、耳が痛かったです。
読み手はタイトルを見て、瞬間的に読むかどうか判断しますよね。やっぱり入り口が重要なのです。
その意味で、タイトルをつけることは記事にキャッチコピーをつけることに似ているかもしれません。
コピーライターとして、みなさんの心をキャッチできるいいタイトルをつけたいです。精進します。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。今回の記事のタイトルよかったよ!という方はぜひスキやフォロー、コメントをお願いします。
文:シノ