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電話こわい
朝から急に知らない番号の電話がかかってくる。
電話に出ることが怖いというひとが増えているらしいが、ぼくもバッチリそっち側の人間だ。
電話というのは、これから自分が何を言われるのか分からない恐怖感がある。
スマホのみならず、家の固定電話にかかる着信もものすごく怖い。
イエ電が怖いというのは学生時代からの刷り込みなんじゃないだろうか。
携帯電話やスマホの発達とともに成長してきた30歳にとって、イエ電にかかってくる電話は大概重要、あるいは重大な話であることが多い。
年齢を経ても、イエ電にかかってくると
「あれ、自分って何か悪いことしたかな」
とか考えてしまう。
電話という存在が精神衛生に良いものなのか悪いものなのか、微妙なところだなと思う。
朝、突然にかかってきた電話は税務署からのものだった。
内容は大まかに言えばお金の話。
現代の税制度はなんて複雑なのだろう。
田畑を耕して、その収穫量を年貢として納めていた時代はなんてシンプルなんだとか思ってしまう。
ぼく自身は税制度のプロではないし、詳しいわけでもないけどちゃんとしておきたい。
一方、電話先の税務署員は税制度のプロで、他者が損することよりも事務作業が円滑に進めば良いわけだ。
そうなってくると税務署員はこちらの知識量はお構いなしに専門用語やら制度やらをこちらが知っているテイで話をしてくる。
話のスピード感についていくためにぼくは分からないところを質問する。
ぼくとしては「どうしてもっと分かりやすいことばで説明してくれないのか」と思っているし、税務署員としては「その質問いる?」とか思っているのだと思う。
電話って相手の声が聞こえていても、結局は相手の表情とかが読めないので、お互いにどんどん思いやりが失われていく。
でもお互いの心の中は同じなのだ。
「なんで分からないかな」
朝から急な電話に怯え、顔の見えない税務署員と口論し、ひとの醜さが表出しがちなお金の話をする。
こういう1日のスタート。
そら、現代人、電話嫌いになりますわ。