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短編小説・詩

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記事一覧

【連載小説】オディアス戦記 3

ーーピヨピヨピヨ、チーチチチ、ピヨピヨピヨ、チーチチチ  俺はいつの間にか寝落ちてしまっ…

【連載小説】オディアス戦記 2

「プハー、うまい!」 「でしょ?」 「酒が湧き出る泉があるとは聞いたことがあったが、本当だ…

【連載小説】(仮)オディアス戦記 〜プロローグ

連載小説に初挑戦します。ろくに読んだことないくせにラノベ風を目指したのですが、あの軽さを…

和歌を英訳してみる

自作の短歌一首と古今和歌集の一首を英語に翻訳してみました。 英語短歌(tanka poems)には、…

「白痴」 (#2000字のホラー応募用)

「山口さん、『遠野物語』って知ってます?」  席に着くなり結城さんはそう言った。勢いよく…

童謡「Sing a Rainbow」に日本語詞をつけてみました

この歌は以前に英語バージョンとウェールズ語バージョンを紹介したことがあります。 今回は、…

飛行機を吸い込む青よ五月晴れ

懲りずに今度は俳句を作ってみました。 昨日、娘を迎えに学校に向かう道すがら、空を見上げて思いつきました。夏至の翌日、天気は快晴。熱波のため気温が26℃前後まで上がり、イギリスとしてはとても暑い日でした。 ところで、もう6月も終わりなのに五月晴れってどうなの、と思いませんでしたか?実は、これは旧暦の5月の季語なので6月に使ってよいそうなんです。変な感じですが。 そういうわけなので、五月晴れの本来の意味は「さわやかな初夏の晴天」ではなく、「梅雨の合間のむっとする暑さの晴天」が正

「サムサラ」(短歌)

短歌を作りました。 サムサラはサンスクリット語で輪廻転生の意味。 「なぜこの風の香りを懐…

マルハナバチ(詩)

マルハナバチ 僕は彼女の手を取って 小さな小指に歯を立てた 「お腹減ってるの?」 クスクス…

振り返りnote~掌編小説編

今日でnote開始2周年のようです。今朝、noteさんから通知をいただきました。 こんなに続いたの…

掌編小説「白痴」

 白痴   「山口さん、『遠野物語』って知ってます?」  窓際のテーブルにマグカップを置…

ピアニスト (掌編小説)

 ぼんやりツイッターの画面をスクロールダウンしているときだった。その記事に遭遇したのは。…

七歳までは神のうち (短編小説)

「ときおみ、さん?」 「いえ、ときあみ、です」  隣に座った男はさわやかな笑顔で訂正した…

幸福なじいじ(掌編小説)

 きらきらと光を反射させながら小川がゆるやかに流れる。  白いワンピースを着た少女は、つややかな黒髪を揺らして、来る途中に林の中でちぎった葉を一枚、川べりから投げ入れた。葉は岸からほど近い水面に落ち、案の定、すぐに川の淀みにとらえられてしまったが、特にがっかりした様子も見せず、少女はまた一枚、今度は先ほどより勢いをつけて放り投げた。  小川には石橋がかかっている。その真ん中から放り投げれば、きっとスイとどこまでも流れていくだろう。しかし、少女はそうしない。この橋を使うことを許