和歌を英訳してみる
自作の短歌一首と古今和歌集の一首を英語に翻訳してみました。
英語短歌(tanka poems)には、「音節の数を5-7-5-7-7にする」、「上の句で自然描写、下の句で内省や心情を比喩を用いて描写」というようなルールがあります。二つ目はともかく、音節数の方はちょっと頑張りました。
まずは自作の短歌から。
サムサラは輪廻転生を意味するサンスクリット語。
「懐かしい香りを風の中に嗅いだ。前世で二世の契りを交わした人の香りなのかもしれない」という歌です。
英訳。
サムサラを詩の本文に入れたかったのですが、どうやっても無理だったのでタイトルにしました。
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次は、同じく「香り」がキーワードの古今集のこの和歌。季節外れで申し訳ありません。
五月を待って咲いた橘の花の匂いを嗅ぐと、この香りを袖に焚き染めていた昔の恋人が思い出され懐かしくなった、という歌です。
英訳。
「orange」では、しっとりした情緒が吹き飛ばされてしまうような気がしますね。実は、橘は学名を「citrus tachibana」といい、日本固有の柑橘です。英語では「tachibana orange」や「tachibana fruit」などと呼ばれますが、英語の短歌では使いにくいので仕方なく「orange」を採用。
余談ながら、橘は環境省によって絶滅危惧種に指定されています
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