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東京の名もなき欠片

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世界中でもまったく異質で稀有な都市、東京の空気、色、乾いた感傷をつづります。~An unnamed piece of Tokyo~
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記事一覧

見捨てられた流浪民族

 最近更新頻度がまあまあ高い。理由はカンタン、やりたくない仕事をまず机に自分をセットする…

秘すれば花
12時間前
3

アメージング・ドライブ

 なんとまあ。前言撤回しなくてはならんです。25日はめいっぱい「クリスマスの精神」に満ちた…

秘すれば花
1か月前
6

冷え込む夜の思考など

 最近格段に生きやすくなったと感じる局面が多い、と思う。生きやすさ、生きにくさって結局は…

秘すれば花
2か月前
10

黄泉の道、グラスタワーの影

永田町の駅を紀尾井町方面の出口から地上へ出ると、道路の向こうにまるで小さな離れ小島のよう…

秘すれば花
2か月前
5

峠の茶屋にあるものは

 満ち足りて目が醒めると、冬至のころに感じるような空気のすがすがしさを感じ、同時に自分自…

秘すれば花
2か月前
8

さよならが約束になる

 最後の会がつつがなく終わり、途中まで電車で帰ったあとで最寄りの駅からタクシーに乗り込ん…

秘すれば花
3か月前
7

脈打つ秋

 書きたいことがとてもたくさんあるようなのに、どうしても書ききらないうちに消してしまうので時間が空いてしまっている。それで自分のなかでもう咀嚼しおわって消化すらしたような気がするので、春から夏に毎日楽しんだゲランのアクアアレゴリアから「ウード ユズ フォルテ - オーデパルファン」の話をしよう。 ◇◇◇  いま夢中になっている進行形の香りは正体を明かすのが好きではないので、長いことこの香りの話をしてこなかったのだが、この数日急に「あ、もうこれじゃない」と思うようになった。

あのころ、桜木町で

 コロナ陰性になってからも、体力が本当に戻らなくてまだヒイヒイ言いながらの毎日。週初めは…

秘すれば花
4か月前
15

六本木ヒルズライブラリーがなくなって

 自分にとってこれほど切実にサードプレイスが重要になるタイミングで、長年なんとなしに利用…

秘すれば花
5か月前
8

トーマス・クラウン・アフェアーと1999年

 「トーマス・クラウン・アフェアー」という映画をアマプラで観た。1999年公開とのことで、タ…

秘すれば花
7か月前
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蓮の池の午後

 うそのように気温が落ち着いた土曜の午後だ。冷房もオフ、開け放った窓から心地よい風が流れ…

秘すれば花
7か月前
7

嗚呼、伽羅よ伽羅

 お線香を日々燻らせる生活なのだが、この10年ほど(そんなにやってるんだな…)は白檀、沈香…

秘すれば花
9か月前
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母と暮らす

 新年度が怒涛。というよりも年度末が怒涛でその通り過ぎた風力がまだあおっているというのが…

秘すれば花
10か月前
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香彷徨遍歴仮名手本

 「ああやっぱりそうなのか」と、ある試みにおける見込み違いの結論を得た。自分は香水を、多く経験してきたあとはシグネチャーとなる香りひとつにこだわりぬいて、その香り=自分として認識されるようになることを夢みいていた。それはモンローのNo.5を例に出すことさえ憚られるが。  しかし冒頭に書いたとおり、自分にはおそらくまだ絶対量の経験が不足していたようだった。気分によって日によって使い分けるということをしないようになりたかったが、だめだった。「だめだった」つまりはその香りをどの方