キュートな姿とのギャップに "とりこ" 特別展『鳥』(通称『鳥展』)で新発見!鳥たちの生き抜く知恵
東京・上野の国立科学博物館で開幕した、特別展『鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~』。開催期間は、2024年11月2日(土)から 2025年2月24日(月・休)までです。
シマエナガをはじめとした、600点以上の個性的な鳥の標本が大集結。キュートな姿に隠された力強く生き抜くための知恵の数々をじっくりと学ぶことができます。ぜひ、お子さんと一緒に行ってみてくださいね。
鳥マニア集結! レイザーラモンRGさん・高柳明音さん・監修者たちによる「鳥トーク」
開幕に先立ち、本展を監修した国立科学博物館の3人の研究員とスペシャルゲストのレイザーラモンRGさん、高柳明音さんによる「鳥トーク」が繰り広げられました。
総合監修を務めた西海功研究員(写真向かって左から2番目)によると、600点以上におよぶ膨大な標本はバードウォッチャーも楽しめる、見た目のよいものを中心に集めたそう。
鳥は生態系ピラミッドで色々な役割を果たしている一方で、近年数を減らしている種も多くあります。「鳥により一層なじんでいただくことで、地球環境を考えてもらうきっかけとなれば」と、本展への思いを語りました。
日本野鳥の会に入会するほどの大の鳥好きで知られるレイザーラモンRGさんのイチオシは、猛禽類の展示。大きなメジャー種目の標本から、小さくて格好良い種目の標本まで、「ヒーローが全部並んでいる!」と圧倒されたそうです。
野鳥専門誌『BIRDER』(文一総合出版)で連載を持つ鳥マニアの高柳明音さんは、本展の目玉展示である史上最大の飛べる鳥、ペラゴルニス・サンデルシの生体モデルについてコメント。「実際に見ると本当に大きくて、鳥展ならではの見どころ」とその魅力を熱く語りました。
鳥たちの生き抜く知恵① 恐竜から鳥への知られざる進化
恐竜から派生し、特徴的な姿へと進化を遂げた鳥。例えば鳥のモフモフな羽根は、どうやって形成されていったのでしょうか。
実は羽根の進化は、チューブ状の大きな突起からはじまりました。小さな枝分かれを重ねながら、現在の羽根の形が形成されていったのです。
鳥たちの生き抜く知恵② 飛び方ごとに “とりどり” な翼の形
長距離を飛ぶ鳥、獲物を捉えるために高速で飛ぶ鳥など、空の飛び方は鳥によって様々です。
それぞれの飛び方ごとに適した翼の形があります。例えばコアホウドリのように、風に乗って長距離を飛ぶ渡り鳥は、長い翼を持っています。
また、ツバメのように獲物をつかまえるために高速で飛ぶ鳥は、先が尖った翼を持っています。
各所に展示された翼を広げた状態の標本の、それぞれの特徴を見比べてみてくださいね。
鳥たちの生き抜く知恵③ 食べものを手に入れるためのひみつの特徴
大きなのど袋やかぎ型に曲がったくちばしなど、鳥の体には食べものを手に入れるためのたくさんのひみつが詰まっています。
おもに動物の死体を食べる鳥、コンドルの写真をごらんください。血や腐った肉が付着しても衛生を保てるように、コンドルの頭部と首には羽毛がありません。
エサとなる魚をキャッチするための大きなくちばしが特徴的な、ハシビロコウやモモイロペリカン。
ペリカンといえば、立派なのど袋が有名。モモイロペリカンののど袋には、なんと10リットルもの水が入ります。魚を水ごとすくい取り、水だけをあとで吐き出しているのです。
それぞれの鳥がどのように獲物をつかまえているのか、想像しながら観察してみてくださいね。
おうちでも鳥たちの魅力を感じられる! お土産コーナーも大充実
オリジナルグッズをはじめとした、鳥たちの魅力が存分に感じられるお土産にも注目です。
“鳥の目” で鳥たちの進化の全貌を眺めよう
人類の次に「ゲノム解析」が進んでいるといわれている鳥。鳥たちの進化には、大自然で生き抜くための数々の知恵が詰まっています。
特別展「鳥」を通して、鳥たちが経てきた進化の道のりの全貌を眺めてみてくださいね。