【ヨックモック×八丈フルーツレモン2】島への移住でおいしいレモンを育てる!農業研修生インタビュー。
2022年12月に八丈島を訪れたヨックモック取材隊。
なぜ八丈フルーツレモンとコラボレーションしたのか、八丈島レモン生産出荷組合 組合長の奥山正孝さんのインタビューをお届けしました。
今回は、八丈フルーツレモンを作る農業研修生の皆さんにお話をお聞きしました。
この夏、ヨックモックが期間限定でリリースした【ヨックモック×八丈フルーツレモン】シリーズのおいしさを支える皆さんは、本州から八丈島へ移住された方たちです。
八丈島には、八丈町農業担い手育成研修センターがあり、移住・就農のサポートをしています。
この制度を利用し、八丈島へ移住した皆さん。どんな思いで、八丈フルーツレモンを作っているのか、島での生活についてもお話いただきました。
※インタビューは商品開発前、2022年12月に実施しました。
島での暮らし、いかがでしょうか?
― 皆さん、八丈島に移住されてきたんですよね。暮らしは、いかがですか?
吉田:今日は朝ご飯に八丈島で採れたとろろを食べたんです。この時期しか採れない、とろろ芋。
松﨑:おいしいですよ!
吉田:最高ですよね。でも、流通の問題もあって本州のスーパーでは買えないんです。
― 島ならではの朝ごはん素敵ですね。そもそも、皆さんは、なぜ八丈島に移住して農業をしようと思ったんですか?
吉田:僕は元々観葉装飾を手がけていたんですが、木に登ったり高所作業が伴うので、年を取った時にできるのか不安がありました。ちょうど20年の区切りに独立も考えたんですが、農業もいいなって研修センターの体験に参加してみたんです。元々観葉植物を手がけていたので、八丈島の鉱物や植物には馴染みもあったので、講義を受けるうちに島の生活もいいんじゃないかって考えるようになりました。家族も島暮らしに魅力を感じてくれたのも良いきっかけでしたね。
― ご家族も理解いただけるのはすごいですね。
吉田:僕は今年43歳なので、体が動く今のうちなら、島での生活基盤を作れると思ったんです。自分のペースで一生続けられる農業で独立した方が、人間として豊かに暮らせるのではないかなって3年前に島に来ました。
設樂:私は今年35歳ですが、20代の頃から何度も八丈島に旅行で訪れていたんです。自然も豊かですし、いずれは移住したいと思っていたんですが、やっぱり仕事のことがネックでなかなか踏み切れなかったんですよ。
― そうですよねぇ。
設樂:役場に相談にいったら、就農という選択肢を薦められました。前職が花屋だったのもあって、販売じゃなく生産をしてみるのもいいかもしれないと、今年2月に移住して、農業を始めました。
今井:農業担い手育成研修センターのシステムを知って、試験を受けました。基本は面接なんですけど、募集人数が少ないので最初は受からず、翌年も応募しました。
松﨑:研修生用のハウスが限られていますからね。
今井:私の場合は、吉田さんや設楽さんに比べると、農業とは全然畑違いの介護の仕事から転職しました。「島で暮らしたい!田舎暮らししたい!」っていう、結構ふわっとした感じで、研修制度でこの島に流れ着きました(笑)。今年、41歳で島での暮らしは2年目です。
松﨑:私は、自動車部品メーカー商社にいました。販売先に農業機械関係のメーカーさんが多かったのもあって、農業の現場を見ているうちに自分自身もやってみたくなったんです。今年で52歳なんですが、他の3人と違ってもう孫もいるので、何度か釣りに来ている八丈島での暮らしに憧れたんですよ。
― セカンドライフ的な感じですね。
松﨑:そうそう。私も農業体験をしてみて、すごくいいなと思ったので研修制度の試験を受けて今に至ります。
― 皆さん、それぞれ多様な理由で島への移住をされたんですね。
就農の理想と現実。
― 実際に就農してみて、イメージとのギャップってありましたか?
設樂:太陽の下で畑で作業をされるイメージってあると思うんですが、実際にはハウスで作業するので天候に左右されず働いています。一般的な農業のイメージよりは近代化されてきているんですね。
― なんとなく、晴耕雨読なイメージでした!
設樂:もちろん自然と触れ合ってはいて、レモンの花が咲き始めて、小さな実からだんだん大きくなっていくのをみていたりすると、”やっていて良かったな”って思うんですよ。
松﨑:僕の場合はもうズブの素人から始めているので、思った通りにいかないことばかりでした。今でも不安はあって、このまま仕事になるのかなって心配になることも多いです。
― 具体的にはどんな大変なことがあるのでしょう?
松﨑:例えば、レモンの剪定一つにしても、やり方が全く分からない、教科書を見ても良く分からないんですよね。そんな時は、観葉装飾の仕事をされていた吉田さんに、詳しく教えてもらっています。それでもなかなかうまくいかないですけど(笑)。
― 仲間がいるのは心強いですね!
松﨑:あとは、農家は会社員と違って週休2日制ではないので、意外と遊ぶ時間が少ないです(笑)。だいぶ慣れましたが、休みたい時に休むんです。でも休むとその分、遅れをとってしまうので、趣味の釣りにはなかなか行けません(笑)。
吉田:僕は、観葉装飾とは全然違うので”生産するための剪定”に苦労しました。知識はあっても、環境もさまざまに違いますし、思った通りにはいかないので、試行錯誤の連続でしたね。毎年、色々と条件を変えながら実験するんですが、なかなか思い通りにいかないんですよ。
― 毎年、天気や気候も変わりますもんね。
吉田:それに加えて、市場に出せるような綺麗な状態に保つためにも、病気を出さないように育てないといけません。特に贈答用のレモンの栽培には、すごく神経を使うんですよ。
― 私もハウスでレモンを見学させていただいて、同じ木からなっていても大きさも色も全然違って驚きました。
今井:結果が出るまでに1年かかる作業って、会社員時代には経験できないことでした。花が咲いても、本当に実になって、収穫できるのか、ずっと不安なままで作業し続けるんです。特に私は2年目なので、まだそのギャップはありますね。
― 1年間手間ひまかけても、実るとは限らないですもんね。
収穫は、やりがいもがっかりも感じます。
― 皆さんにとってのやりがいや嬉しいことってどんなことですか?
吉田:ちょうど現在、12月から春にかけての収穫時期は、やりがいを感じますね。
全員:そうですね。
吉田:虫に食われていて、がっかりすることもありますし、出荷できない規格外商品もあります。そういうのは島の人に配ったりするんですが、皆さんすごく喜んでいただける。いいものを作っているぞって実感できますし、手間をかけているレモンをおいしく食べてもらえるのは、やりがいですよね。
松﨑:「こんなおっきいのできちゃった!」って、びっくりしますよね。
吉田:一番大きいものを家に持って帰ってく、家族に見せたりしています(笑)。大きいのだと、540gもあるんですよ!
― 凄い!グレープフルーツと同じくらいの大きさですね!
人生をかけるほど魅力的なフルーツ。
― 八丈フルーツレモン、見た目も味も特徴的で素敵な名産品ですね。
吉田:ありがとうございます。これからは、島を支える産業になるんじゃないかと期待しているんですよ。
― どういうことですか?
吉田:例えば、八丈島は、「切り葉」の生産で有名です。でも、切り葉は1次産業なので、売ったら終わりです。八丈フルーツレモンのような果実は、育てたものを売るだけでなく、さまざまに加工して販売することも可能ですよね。
― 確かに!
吉田:すると、付加価値をつけて6次産業化することができます。利益も得やすいですし、加工することでお土産として観光資源にも活用できるだけでなく、加工・販売・流通にまつわる雇用も生まれると思います。
― 経済的な波及効果もあるんですね!
松﨑:吉田さんは、切り葉とレモンを半々くらいで育てる予定ですよね。僕は、レモンの方を多く育てているんですが、「失敗したらどうするの?」ってネガティブな意見もあります。
吉田:僕も、確かに不安ですけど、八丈フルーツレモンは、自分の人生を賭けるくらい魅力的なフルーツだと思っています。きっと、切り葉産業と並ぶ、島を代表する産業になるって思っています。
― 私たちもお菓子を通して応援できれば嬉しいです!
八丈フルーツレモンの楽しみ方。
― 皆さんは、普段どんなふうに八丈フルーツレモンを楽しんでいるんですか?
吉田:皮の面積が多く香りも爽やかなので、一般的なレモンと違って皮までおいしく食べられます。僕は、薬味がわりに豆腐に乗せたり、パスタに入れたりしていますよ。
― 私たちもはじめて皮までいただいて、本当においしくて驚きました!皆さんは、初めて八丈フルーツレモンを食べた時、どういう印象でしたか?
吉田:皮まで食べられるイメージなんてなかったです。酸味の少なさにも驚きました。
松﨑:マイルドですよね。
今井:柚子のように、食のアクセントにしても、酸味が立ち過ぎなくて、香りを楽しめますよね。
吉田:皮とか実の香りを楽しむタイプのレモンですよね。シロップ漬けにしても、普通のレモンのシロップとは全然味が違いますからね。皮の風味が違うんです。車の中にシロップ漬けが積んであるんです(笑)。
― 食べてみたい・・・!
今井:暑い夏はレモンスカッシュにすると、小さい子供でも飲みやすいと思いますよ。若い実を落とす時期があるので、それを利用して作ったりしています。飲み物にも合いますよね。
吉田:うん。紅茶にめっちゃ合う。酸味が少なくて香りが立つから、フレーバーティーみたいになるんです。アールグレイティーに入れるとうまいよ。
― おいしそう!
今井:そのまま食べるのもいいし、調理してもいい。島では、マーマレードやアイスクリームなどに加工もしています。
吉田:島の女性部のみんなが作ったものがあれだけおいしいんだから、ヨックモックさんが作ったらきっともっとおいしいはずですね(笑)。
― ハードルが上がりますね…(笑)。
全員:(笑)。
ヨックモックとの思い出。
― ちなみに、今回のコラボレーション以前にヨックモックをご存知でしたか?
全員:よく存じています!
松﨑:僕らは小さい頃は親がヨックモックさんの缶をとっていてそれに何か入れていたなっていう思い出がありますね。
吉田:ギフトでヨックモックがくると当たりだって思っていました(笑)。
― ありがとうございます(笑)。
― 皆さんの作る八丈フルーツレモン、こうしてお話をお聞きするとますます魅力が増しますね。
吉田:私たちも、皆さんに興味を持って取材していただけるのは嬉しいです。果実作りの仕事は、決して華やかではありませんが、やりがいや苦労があります。そういった話も皆さんに知ってもらいたいですし、八丈フルーツレモンがもっと盛り上がるといいなと思います。
― ひとまずは頑張ってお菓子に仕立てて参りますので、皆さんもどうぞお楽しみにしていただければと思います。
全員:楽しみにしています!
~おまけ~
2日目は、皆さんのお話をお聞きした後、八丈フルーツレモンの磨きと仕分け工程の見学をさせていただきました。
午後は、八丈富士 ふれあい牧場で「シガール」と八丈フルーツレモンの撮影。
見てください。この神々しい景色!
こんな景色を見たら、島への移住も素敵だなって思いました。
ジャージー牛乳のソフトクリームも美味しくいただきました。
もちろん、お仕事の一環です(笑)。
八丈フルーツレモンを使ったスイーツは、東京駅一番街店にて限定販売中です🍋
(おわり)