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共通テストの記述と民間試験利用について
今日は、以下の記事について述べていこうと思う。
この記事は、2025年以降の大学入学共通テストにおける記述式問題と民間試験利用の断念を有識者会議で了承したという内容である。
まずは、記述式問題について述べていく。
今までのセンター試験では、全ての問題がマークシート式を採っており、数学以外の科目では、選択肢が限られているので、勘でも正解することができた。
また、自分で答えを考える問題でもなかったので、今後、必要とされる思考力を求める問題に変えようという理由で記述式が検討された。
しかし、問題点として、採点方法が挙げられる。
マークシート式では、予め正解が決まっており、スキャナーを使用して採点していたため、時間を要することは無かった。
しかし、記述式は、事前に回答例を作成していても、コンピューターでは、正しい採点を行うことができない。
また、部分点なども存在するため、この解答は10点満点中何点なのかを決めなければいけない。
そうなると、人が採点するほか無い。
それゆえ、採点に時間がかかると同時に、正確な採点を行うことが極めて難しくなる。
この採点についての問題は、大学の合否にも影響してくる。
例えば、難関国立大学であると、出願後に足切りと呼ばれる作業が行われる。
この足切りの基準となるのは、共通テストの点数である。
つまり、足切りを行うためには、それまでに採点を終了させる必要がある。
となると、記述式では中々難しいと考えられる。
そういった点の対応策も不十分であるということから、導入延期が了承されたのであろう。
次に、民間試験の利用である。
これは、英語の民間試験である英語検定やTOEIC、TOEFLなどの試験を共通テストの英語の点数に反映させるというものである。
民間試験の利用における問題点は、機会均等が失われることである。
センター試験は、浪人生を除けば高校3年生の1月に受験する。
回数は1年間に1回のみである。
これは、極めて公平性の高い試験と言える。
高校3年生であれば、誰でも受けることができるし、回数は1回で、払う金額も一定である。
近年、親の収入の差が教育格差に繋がると言われているが、その点、センター試験はお金を沢山払えば何回も受けられるというものではない。
しかし、民間試験は1年間に複数回受験できる。
英検は年に3回、TOEICは年に10回受けられる。
TOEICを基準に考えれば、最大9回もの差が生まれる。
これは、公平性が保たれているとは言えない。
1回しか受けていない人と10回受けた人では、10回受けた人の方が良い点数を取れる可能性は高くなる。
そうなると、高収入の家庭の方が合格する可能性が上がる。
ただでさえ、塾などという本番までの過程で収入による差があるというのに、合否に繋がる試験にまで収入の差を設けるのはいかがなことであろうか?
今回は、私の考えを述べたものであって、全ての意見が正しいという訳ではない。
ただ、大学受験というのは人生でも大きなターニングポイントになると思うので、決断は慎重に行うべきであると思う。
試験を先に変えるのではなく、学習指導要領を少しずつ変えていくことで、それに対応した試験に変えるというのが良いと私は思う。