2024年旅行記録②新潟県西部及び長野県北部ローカル新聞蒐集行
3月9日(土)ローカル新聞蒐集行1日目
長野県及び新潟県ローカル新聞事情概説
第2次世界大戦前に政府による報道統制政策の一環として各地域に多数あったローカル新聞が「一県一紙」に統合され、現在でも各地に残る「県紙」が誕生しました。その体制が現在でも尾を引いており、多くの県が当時の統合で誕生した新聞社がそのまま残り、大半は「県紙」が県内唯一の地元紙となっています。
他方、県土が広い長野県と新潟県では戦後にも「県紙」がそれぞれ「信濃毎日新聞(信毎)」「新潟日報(日報)」として残りました。しかし終戦後政府による強制的な報道統制が解除された上、民主主義国家としての日本の復興を期待し言論の多様化を期待していたGHQの意向に加えて当時配給だった新聞用紙の割り当てが新興紙に有利になっていた事もあり、県庁所在地から遠い地域を中心に戦前ローカル新聞を発行していた新聞社の経営者や記者が中心になってローカル新聞が相次いで復刊しました。
1990年代のバブル崩壊による広告主の減少やインターネット・携帯電話の普及で部数の減少などで一部のローカル新聞は休刊(廃刊)となりましたが、今でも少なからぬローカル新聞が生き残っています。
今回は3月9日(土)と10日(日)の週末を活かし、クルマで新潟県と長野県を周りました。
尚、長野県と新潟県では「北部」「西部」と言う地域区分は通常使われていませんが、今回地域区分では複数の地域に跨っているものの周った箇所の大まかな位置を表す為にタイトルで「新潟県西部」「長野県北部」としました。実際に周った地域は「新潟県上越地域」「新潟県中越地域の一部」「長野県北信地域」「長野県中信地域の一部」です。
出発前日の相次ぐ訃報
出発に先立つ3月8日(金)に日本の文化を支えた方の訃報が相次いで入りました。丁度昼間でしたので、仕事中の雑談で話題にされた方も多いでしょう。
その翌朝である出発日の3月9日(土)のスポーツ紙や一般紙でも大きく取り上げられていました。
ともあれクルマですので時間に幅が持てます。朝はゆっくり目に自宅を出ました。
出発した辺りの天候は雪で吹雪いていました。幸い路面は冠雪しておらず、当時はまだスタッドレスタイヤを履いたままでした。
途中で高速道路に入り、北陸自動車道を東に進みます。道中では1月1日に発生した能登半島地震の被災支援から戻る関東や東北の自治体の車が多く走っていました。無事の期間を祈るのみです。
新潟県上越市・十日町市ローカル新聞入手
富山県最東端の朝日ICでNEXCO中日本から東日本のエリアに入った後、トンネルを何本か通った後の僅かな明り取りの区間で越中と越後を分かつ境川を渡り新潟県に入ると天気が急に好天しました。
富山県民として糸魚川ICまでは時々走る道なので感覚は慣れていましたが、糸魚川より東を走るのは約3年半振りでした。一本道の高速道路ですが上越ICまでは海岸線が険しく少し内陸に入った辺りを何本もトンネルを通る経路ですので緊張感を持ちながらハンドルを握ります。
上越ICで北陸道を下り、部分開通している高規格道路「上越魚沼地域振興快速道路(上沼道)」を走り、上越市から十日町市を通り南魚沼市までを結ぶ国道253号に入ります。途中でコンビニがありましたので県紙「新潟日報」の他に新潟県上越市で発行している「上越タイムス」を入手します。他にも数種類の新聞を入手しました。
田園地帯の中で地吹雪対策の柵が並行している国道253号を南下しますが、途中から山越えに入ります。幸い好天で路面には雪はありませんでしたがカーブが連続する道を慎重に走ります。
儀明峠をトンネルで越えて十日町市に入ると視界が一変し、降雪はないものの曇り空になりました。場所によっては視界が悪くなるのでヘッドライトを点灯しました。
暫く走り旧松代町にある「道の駅まつだいふるさと会館」でクルマを停めます。ここは北越急行ほくほく線まつだい駅を併設しているほか、松之山温泉行きのバスが発着する交通の要衝になっています。
混雑していて誘導員も出ている駐車場にクルマを停めて見渡すと首都圏ナンバーのレンタカーが結構な数で停まっていました。建物に入ると結構中国語やタイ語などの会話が聞こえてきました。全国有数の豪雪地帯であるこの辺りは格好の観光名所なのでしょうか。但し首都圏のレンタカーにスタッドレスタイヤが装着されているのかどうかが少し心配です。
道の駅構内にあるファミリーマートで十日町市で発行しているローカル新聞「妻有新聞」「十日町新聞」を入手します。
十日町市には他にも「十日町タイムス」もあります。全て週刊紙で発行する曜日が3紙とも異なっています。
売店で売っていたほくほく線の「鉄道むすめ」グッズや名産の「妻有そば」を買い、再びクルマで南下します。
十日町市街地までもう1つの峠をトンネルで越えると視界に信濃川が広がります。日本最長の河川である信濃川渡り、市内のコンビニで十日町市で発行している週刊紙「十日町タイムス」を入手しました。
時間は昼を過ぎていましたがそのままクルマを進めます。ここから先は長野まで国道117号を西に進みます。
内陸県である長野県は沿岸にある製油所からの配送料が高く、その影響でガソリンが高い事でも有名ですが、新潟県内でも長野県に接する地域は特別にガソリンが安い印象です。ガソリン代が高い長野県内から客を誘うように沿道には価格表示が掲げられています。こちらも長野県に入る前に十日町市内の国道117号沿いにあったセルフのガソリンスタンドに入り、満タンにしていきました。当時の富山市内よりも安い位でした。
長野県に接する津南町に入ると市街地で徒歩の観光客を多く見掛けました。一部の交差点では警備員も立つほどで、何事かと訝っていましたが帰宅後調べるとイベントをやっていたようです。
長野県北信地域ローカル新聞入手
長野県に入りどこかで昼食が取れる所がないかと思いつつ進みましたがなかなかありません。県境に接する栄村を過ぎた野沢温泉村にある「道の駅野沢温泉」でようやく昼食を取る事が出来ました。
3月に入ったとは言えスキー場を抱えた長野県北信地域だけあり寒さを紛らわせるメニューがあったので美味しく頂きました。
遅めの昼食後お土産も買い、小1時間の休憩の後長野に向かい進みます。
飯山市に入った最初のコンビニで長野県飯山市で発行している「北信濃新聞」と中野市で発行している「北信ローカル」の2紙を入手しました。
夕方の混雑に入りつつある辺りでロードサイドのチェーン店が散見される飯山市中心部を抜けた後で方向転換し、小布施町内のコンビニで須坂市で発行しているローカル新聞「須坂新聞」を入手しました。
この間に入手した3紙いずれも週刊紙であり、日刊の県紙や全国紙と共存を図っています。記事も地元ネタで溢れています。
日没が近くなり、長野市内の渋滞が目立つようになりましたが何とか日没直前に長野駅近くのビジネスホテル指定の駐車場にクルマを入庫させました。
荷物を下しチェックインしようとホテルに向かいますがフロントは2階にありそこに通じるエスカレーターが故障しており結局新聞で重くなったキャスター付きバッグをヒーヒー言いながら運びました。
2階のフロントでチェックイン後は部屋まではエレベーターがあったのがせめてもの救いです。
部屋に荷物を置いてから再び外出します。
長野電鉄「鉄道むすめ」スタンプラリー参加
まずは近くのコンビニで長野市で発行しているローカル新聞「長野市民新聞」を入手します。殆どの都道府県では県紙のお膝元にはローカル新聞が存在しませんが、長野市は数少ない例外です。
それから地下にある長野電鉄長野駅に向かいます。昨年3月下旬から4月中旬まで開催中の「鉄道むすめデジタルスタンプラリー」に長野電鉄も参画しており、スタンプを取得するべく電車に乗ります。スタンプを読み込むQRコードは長野駅と信州中野駅の改札内に設置してあり、クルマで乗り付けるのは難しくなっています。
時刻表を見てみると信州中野へ行く電車で一番早く出るのは特急でした。長野電鉄は特急電車に乗るのに特急料金がかかります。
キャッシュレス対応の券売機でQRコード決済を使い切符を買い、改札口を通ります。最近は志賀高原スキー場や野猿が温泉に入る地獄谷温泉はじめ湯田中渋温泉郷が外国人にも大人気なのでキャッシュレス決済対応は喫緊の課題でしたが、ようやく実現しました。(但し現時点ではクレジットカードは未対応のようです)
ほぼ小田急ロマンスカー時代の面影を保つ特急電車に乗り座席に腰掛けると次々と乗客が乗ってきました。普通電車含め本数が少ない上特急料金も自由席で100円なので短区間の利用でも気軽に(止むを得ず)特急が利用されています。
発車するとJR東日本の特急でよく聞いていた4点チャイムが鳴り、自動放送が始まりました。外国人にも分かるよう英語もあります。
最初は地下を走っていましたが3駅先の善光寺下駅を通過してから地上に出て住宅街を走ります。途中で頻繁に停車しますがどの駅でも降車客がありました。スピードは余り出せずにそろそろと進んでいきます。
信州中野駅で特急を下り、改札内にあるQRコードを読み込んで長野電鉄のスタンプを取得完了です。
一旦改札を出て長野に戻る切符を買ってからまだ開いていた窓口でグッズを何点か購入しました。
帰りの電車は元東急8500系です。東横線や田園都市線の過酷な通勤ラッシュを捌いていた電車であり、横浜在住時代によくお世話になっていた電車でした。座席に腰掛けて暫くして湯田中から下りてきた普通電車が到着しました。元東京メトロ日比谷線で使われていた03系で、こちらも横浜在住時代に散々乗っていた電車でした。
長野駅に戻り、ラストオーダー間際の中華屋で夕食を取った後で再びコンビニで夜食を買い、ホテルに戻りました。
3月10日(日)ローカル新聞蒐集行2日目
長野県大北地域ローカル新聞入手
一夜明けた3月10日(日)も長野県は好天でした。
ホテルをチェックアウトし長野駅前を見ていると、長電バスの市内バスが全く入ってきません。運転者不足で日曜日を全便運休にしたと言うニュースは全国で報じられましたが本当でした。
クルマに戻り本日の行動に入ります。
まず少し走らせてからロードサイド店で朝食を頂き、長野ICから高速道路に入ります。途中姨捨SAで休憩がてら善光寺平の絶景を堪能します。
休憩後クルマを走らせ安曇野ICで下ります。ここから大町市を通り国道148号で糸魚川に抜けます。
大町市までは抜け道が幾つもあり、その中の1本で北上します。途中池田町内のスーパーに入った他、コンビニで松本市で発行しているローカル新聞「市民タイムス」と大町市で発行しているローカル新聞「大糸タイムス」を入手します。
手持ちのWAONにチャージしようと店内のイオン銀行ATMで現金を引き出そうとした所突然の故障。カードは戻ってきたものの地元の地銀や信金などのATMはないと聞きATMに付いていた非常用の電話で連絡を取りました。
一旦新聞を入手したコンビニに戻りATMで現金を引き出して戻ってきた所丁度警備会社の係員がイオン銀行ATMに来ていて修復作業をしていました。
地方なので時間かかるだろうと高を括っていましたが意外でした。
買い物を終えて大町市に向けて北上します。白馬などのスキー場から帰ってくる大都市圏ナンバーの車に軒並み雪が付着しているのを見て前途を心配せざるを得ませんでした。
昼食を終えて国道148号に入りますが、その手前のアンダーパスで路面が凍っており危うく事故る所でした。雪国在住で慣れていてもいつ足を掬われるか分かったものではありません。
時々雪がちらつく白馬村を通り「道の駅小谷」で休憩します。大町市から糸魚川まで中間地点でありここで休憩する車が多く、日帰り温泉施設もあるので賑わっていました。
普段ならここで温泉に浸かるのですが今回は糸魚川市内で良さげな温泉があったのでお預けです。
新潟県に入り暫くスノーシェッドが続きます。富山県から首都圏への近道の1つでもあり大型トラックの往来も多く、常時ヘッドライト点灯で対向車に気を配ります。一旦国道から離れシーサイドバレースキー場に向かいます。その一角に「塩の道温泉」があります。
新潟県糸魚川市ローカル新聞入手
温泉で温まった後再び帰宅の途に就きます。
糸魚川IC近くのコンビニで糸魚川市で発行しているローカル新聞「糸魚川タイムス」他幾つか新聞を入手しました。「糸魚川タイムス」は前日上越市内で入手した「上越タイムス」の糸魚川版です。当初は「糸西タイムス」と称していましたが「西」が表している西頸城郡が平成の大合併で全て糸魚川市に併合された為改称しました。
ここまで来れば富山県まであと少し。糸魚川ICから高速道路に入り西に向かいます。
富山市内で石川県の県紙を扱っているコンビニに立ち寄り、今回の新聞蒐集は終わりました。
500km以上走ったクルマは雪道や凍結防止剤などでかなり汚れていたので帰宅途中でガソリン満タンにしてから洗車機に通しました。
19時過ぎに帰宅。今回は2日間で543kmを無事に走り抜けました。
今回入手した地方新聞(ブロック紙含む)
上越タイムス(新潟県上越市)
十日町新聞(新潟県十日町市)
十日町タイムス(新潟県十日町市)
妻有新聞(新潟県中魚沼郡津南町)
北信濃新聞(長野県飯山市)
北信ローカル(長野県中野市)
須坂新聞(長野県須坂市)
長野市民新聞(長野県長野市)
市民タイムス(長野県松本市)
大糸タイムス(長野県大町市)
糸魚川タイムス(新潟県糸魚川市)
北日本新聞(富山県)
富山新聞
北國新聞(石川県)
新潟日報
信濃毎日新聞(長野県)
北陸中日新聞(富山県向け)
中日新聞(長野版)
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