日本酒と発酵
発酵とは?
発酵とは、
”「微生物の力」により「有機物」が「他の何か」に変化すること”
であり、
「人間にとって有益な微生物の活動」のことを言います。
逆に、腐敗とは「人間にとって有害な微生物の活動」です。
発酵と腐敗は科学的には同じ現象でも、人間にもたらす結果で区別されてしまいます。
発酵食品を生み出すような人間にとって有益な微生物は3種類に分類されます。
①「カビ」・・・麹菌、青カビ、かつおぶしカビ
②「細菌」・・・乳酸菌、納豆菌、酢酸菌
③「酵母の仲間」・・・パン酵母、ビール酵母、清酒酵母
この中の③、清酒酵母によって行われるアルコール発酵について詳しく見ていきましょう!
アルコール発酵とは?
アルコール発酵とは、
「酵母により糖がアルコールと二酸化炭素に変化する」こと。
三大文明の発祥地、メゾポタミアやエジプトでは、すでにビールやワインが作られていたそうです。
日本では、8世紀の文献に「麹を用いた酒を造っていた」ということが記されているそう。
お酒造りでは、
ブドウ糖を酵母の力でアルコール発酵させています。
分かりやすいのはワイン!
ワインの原料であるブドウの甘味はブドウ糖によるものです。
ブドウの果皮には天然酵母ついています。
そのため、ブドウを潰して放っておけば酵母の働きによりアルコールが発生し、ワインは出来てしまいます。(酵母を入れる場合もある)
では、
日本酒もワインのように、原料の米が酵母によってアルコール発酵したものなのか?
というと、これが違います。
もう少し複雑なのです。
日本酒の発酵
日本酒の原料である米に含まれるのは、ブドウ糖ではなくデンプンです。
デンプンは、酵母によって分解されません。
そのため、日本酒を作る場合、デンプンをブドウ糖に変えてから、アルコール発酵を行う必要があるのです。
デンプンはブドウ糖の集合体であり、
糖化酵素という物質をつかうとデンプンがブドウ糖に分解されます。
その糖化酵素として使われるのが、麹菌です。
麹菌によって米に含まれるがデンプンがブドウ糖に分解され、
ブドウ糖が清酒酵母によってアルコール発酵することにより日本酒は出来ています。
ビールも日本酒のように糖化の工程が必要となります。
ビールの場合は糖化とアルコール発酵を別々の工程で行います。
まず、糖化により麦汁を作った後、それに酵母を加えてアルコール発酵を行います。
しかし、
日本酒は糖化とアルコール発酵を1つのタンクで同時に行います。
同じタンクに必要な原料をすべて加えてしまうのです。
一見簡単そうですが、発酵を行う微生物は生き物なので思った通りには働いてくれません。
お酒の中でも、日本酒造りの工程は複雑で、
世界の酒造りを見ても非常に稀です。
まだまだ、奥が深い。
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さけ夫婦(嫁)
「日本酒を通して人と人とが繋がる場を作りたい」と思い、6月からSAKE会を開きます!
現在、日本酒勉強中!!!
instagram:@sakefufu
よこえみ