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言葉の宝箱 0589【生きているだけで価値がある】

『さすらいの皇帝ペンギン』高橋三千綱(集英社 2017/3/30)

素敵なペンギンのイラストが表紙。
帯には
”北方謙三氏推薦!命の尊厳を軽妙な筆致で描いた待望の感動長編”
また惹句
”ある少女からクリスマスプレゼントとして大きな鳥かごをもらうが、
中にいたのは皇帝ペンギンの雛。
どうやら南極に帰してほしいということだった。
そしてペンギンとの悪戦苦闘の旅が始まった”とあり、読書欲をそそられた。

『赤い夕陽のメリークリスマス』『孤独』『飛べない渡り鳥』の三部構成。

主人公は若かりし頃の著者と思しき小説家楠三十郎。
随所に綴られる『テレビ麻布』『麻布新聞』社員への
あからさまなこきおろしや怨嗟、
悪意ある椎乃木誠なる作家の描写は不快感を募らせ、
感情移入の妨げになった。

・生き抜けよ。
お前は生きているだけで価値がある P208

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