
言葉の宝箱 0029【怒りを忘れ明るく生きるか、怒りに満ちた不満だらけの人生を送るか】

『お会式の夜に』黒野伸一 ( 廣済堂出版2019/8/20 )
毎年10月に池上本門寺で行われるお会式は日蓮上人入滅の法要。
当日は全国から30万人もの人が集まり、池上は盛大なお祭り空間と化す、
この小ぢんまりとした門前町に越してきた
美咲は古くからくず餅の商売を商う老夫婦、飲み屋横丁に集う人々、
美咲同様に新しくこの町に住みついた新住人、
そして池上本門寺の子院である本妙院の住職と知り合い、少しずつ、
この観光化されていない門前町に自分の居場所を見つけていく。
・お行儀がいいのは悪いことではないが、
お行儀が良すぎるお祭りは、あまり面白くないような気がする。
無礼講が許されるからこそ、お祭りではないのか P80
・怒りを忘れ明るく生きるか、
あるいは怒りに満ちた不満だらけの人生を送るか。
それはその人次第であって、それ以外に原因はない P87
・怒りは外的要因ではなく、己の心の持ちようということだ。
ちょっとしたことで激高する人もいれば、
ひどい仕打ちをされても平気な人もいる。
怒らない人は、物事に対して寛容な心を持ち合わせているのだろう。
自分だって完璧な人間じゃない。
知らぬ間にどこかで他人を傷つけているかもしれない。
だからお互いさまじゃないか P89
・不寛容な人たちには何を言っても無駄らしい P120