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言葉の宝箱1262【徒に憤りを重ねる前に、残りの人生を活用しきって逝かねばならない】


『高杉晋作〔1〕』講談社文庫:昭和61年8月28日


・若い生命はつねに不安なく燃えたぎるが、
晩年になると人間はその死期を悟ってくる P33

・徒に憤りを重ねる前に、
残りの人生を活用しきって逝かねばならない P87

・人間はとかく目前のできごとに眩惑されて、
その根本を見失いがちなものであった。
さまざまな現象に気を取られればとられるほど、
現象そのものに振りまわされて、何のためにそうなったかを見失う。
したがってその解決策は、うろうろするだけでは絶対に出て来ない。
これが個人の場合には、律儀な悲劇の人になるか、
ニヒルな傍観者になるか、それともすすんで
新しい時代の扉を開く義人になるかのわかれ目になってゆく P127

・自分の中にあるものと他人の中にあるものとを、
比較ができるようになるという事は、一つの大きな育ちであった。
小人ほど自分のことしか考えられない。
その狭い殻から一歩出て「あやつも同じ人間なのだ………」
そう考え得るという事は一つの大きな余裕であった P328

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