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言葉の宝箱 0517【幸せを知らない人は幸せを求めたりはしない】
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『たまちゃんのおつかい便』森沢明夫(実業之日本社2016/6/15)
買い物弱者を救っている若い女性の移動販売のお話。
あとがきにそのエピソードが記されている。
・数年前から気になっている言葉があります。「買い物弱者」がそれです。車を運転できない過疎地の老人たちが、
日々の買い物に困り、それが社会問題化しているのです。
しかし、そんな折、ぼくはあるニュースに目を留めました。
東真央さんという若い女性が、三重県の紀北町で「移動販売」を起業し、
集落の買い物弱者たちを救っているという明るいニュースです。
その名も「まおちゃんのおつかい便」。
興味を持ったぼくは、早速、担当編集者と一緒に
真央ちゃんに会いに行きました。
真央ちゃんは淡々として、クールで一ミリたりとも「媚び」がなく、
いまどき珍しいくらい芯のしっかりした女性でした。
もっといえば、美人で、歌が上手で、重労働も顔色ひとつ変えずにこなし、そして、家族をなにより大切にする優しい娘さんでした。
翌日、ぼくは「おついかい便」の車に同乗し、
密着取材をさせてもらったのですが、
お客のじいちゃんばあちゃんたちから孫のように愛されている
真央ちゃんを見ていて、これは小説になると確信しました。
「おつかい便」と「家族」というふたつの切り口から、
現代を生きるぼくらの「幸せの本質」を手探りしてみようと思ったのです。
そして書き上げたのが本書です P428
*幸せを知らない人は幸せを求めたりはしない。今はそうではないから