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言葉の宝箱 0063【身体ってのは、自分で治す力を持ってんだよ。薬ってのはそいつを弱めちまうんだ】
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『東京バンドワゴン』小路幸也(集英社2006/4/30)
東京下町、明治18年から続く老舗古本屋東亰バンドワゴンを営むのは4世代の大家族。 語り手は堀田サチ(76歳で故人)天国から堀田家を見守る優しいおばあちゃん。古本屋3代目店主の堀田勘一(79歳)を大黒柱に、金髪ロッカーの不良息子の我南人(60歳)、孫のおっとり藍子とフリーライターの紺、女性関係のトラブルが絶えない青、紺のお嫁さんで併設するカフェを切り盛りする亜美と個性の強いキャラクター揃いにひ孫たち。堀田家一家はいつも賑やか。時にはお節介で面倒な家族だが、いつも「おかえり」と言ってくれる家族。ちょっと変わった家訓に従い、季節ごとに起きる不思議な事件を解決していく堀田家一家の1年。
『春、百科事典はなぜ消える』『夏、お嫁さんはなぜ泣くの』
『秋、犬とネズミのブローチと』『冬、愛こそすべて』4話連作短編集。
・まちがうことありますよね。
ゆるせないことあります。
でも、それを、ゆるしてあげられるのは、
ゆるせなくても、そばにいてあげられるのは、
やっぱりおやことか、かぞくしかいないとおもうんです P77
・意地を張るのにももうみんな疲れているんだ P138
・身体ってのは、自分で治す力を持ってんだよ。
薬ってのはそいつを弱めちまうんだ P217
・別の人間を演じることで観る人に感動を与えてしまう P231
・自分の思う通りにするっていうのも、若い人の特権(略)
それを認めてあげるっていうのも年寄りの度量 P249