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言葉の宝箱 0684【努力への意欲は自分に対する期待】
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諦めない。何があっても。難病に侵された人のために何ができるのか。
彼が選んだのは治療薬を創るという無謀な挑戦だった。
いつだって直向きな情熱は世界を変える。
中堅製薬会社旭日製薬で事務職を勤める水田恵輔は
祖父が入居する老人ホームで出会った車椅子の女性滝宮千夏に魅了され
一目惚れをするも彼女が治療不可能な難病に侵されていると知る。
彼女のために自分は何もできないのか。
悩む恵輔は新規創薬テーマ募集の掲示を目にし、
治療薬がないなら創ればいいのだと思い立つ。
同期の研究員綾川理沙を巻き込み準備を始める恵輔だったが、
創薬素人の思いつきに対する周囲の風当たりは強く、
次々と立ちはだかる困難、進行する千夏の病魔、
恵輔の直向きな努力と情熱の結末は?
創薬のお仕事小説&恋愛小説。
・いつか、こんな日が来ることは分かっていた。
心の準備もしたはずだった。それでも、胃がずしりと重くなった。
降りることができない階段を上がったような気分だった P11
・何があっても、ありのままに受け入れよう P13
・やれるだけのことはやりたいと、強く感じているんです。
それが無謀なものであっても P31
・創薬というものは非常に険しい道のりです(略)
それを成し遂げた人物は、強い信念を持っていることが多かった。
恋人、友人、家族――身近な患者を助けたいという気持ちは、
苦難を乗り越える強い武器になります P46
・現状を変えようとするたびにぶつかる、感情の揺らぎ。
それは裏を返せば、今の自分を囲う壁はそれだけ強固で、
容易に越えられないものだということなのだろう。
ぬるま湯に満たされた、井戸の底。
それが、社会人生活で自分が築いた世界だった P55
・努力への意欲は、自分に対する期待そのものだ。
そこから逃げたという事実は、自分を信じる自分の価値を奪い去り、
情けない記憶として永遠に脳に刻まれることになる P56
・自分がほんまに正しいと思うてやったことには、
必ず誰かが賛成してくれる。自然と味方ができるんや P63
・なるべく自分でなんでもできるようにしておきたいんです。
人の厚意に甘えすぎると、前の自分に戻れなくなったしまいますから P67
・自分にできることは、一つだけ。
とにかく、しっかり準備をすることだ(略)
まずは小さなことから着実に P81
・たとえそれが険しいものであっても、道は確かに開けている。
努力次第で、次のステップへ進むチャンスが与えられている P102
・希望を持つことのメリット(略)
明るい未来が待っていると信じられるから、
今の苦しみを乗り越えられる P151
・変わらなければ生き残れない P281
・必要なのは、時間ではない。互いに心を開き合うこと P296
・取り組まなければならない課題は無限にあり、
その一つを選ぶ取る時、他のものを切り捨てる覚悟を持つ必要がある P302
・やる気(略)
それだけで夢が叶うわけではない。実力も必要 P331