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言葉の宝箱 0173【歳をとるにつれ、仲間の勝利を、自分の負けのように感じるようになった】
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ベテランのエースから引退の独占スクープを託された
女性記者が満を持して書いた原稿が紙面に掲載されなかった理由とは。
日本のプロかメジャーリーグ入りかで迷う有力高校生の留守宅を訪ね、
彼の決意の行方を確信する元プロ野球選手だった記者の眼。
ストーブリーグの季節、
人気球団の監督が決まる迄の各スポーツ紙による熾烈な取材合戦。
スポーツ新聞東西スポーツ編集部の名物デスク鳥飼義伸は口ぐせが
「とりあえずニュース出せ」の為、渾名はトリダシ。
影のGMとも噂される優秀な記者だが露骨で下品な言動と、
なりふり構わぬ取材ゆえ社の内外に敵は多い。
彼の下で記者達は翻弄されながらも
ライバル紙とのスクープ合戦に勝利すべく一丸となっていく。
自らの記者体験をもとに臨場感溢れるスポーツ紙の現場を描き、
著者のターニングポイントになった作品。
『スクープ』『コーチ人事』『勝ち投手』『裏取り』『報復死球』
『三勝三敗』『逆転』七話連作短編集。
・いくら強がっていても、取材を受ける側は所詮受け身なのだ。
ある意味、女の心理に似ている P11
・肩で息をつく。張り詰めていた筋肉が解れていく。
そうか、
人はこうやって重たい荷物を担いだり下ろしたりしているのか P56
・やられたらやり返せばいいだけの話だ P80
・飛ばされた時、
真っ先に味方の顔をして近寄ってきたヤツが、飛ばした張本人 P168
・当たっている時は「せいぜい頑張れ」、
外れている時は「そのへんにしておけ」と止めてくれる P204
・ニュースというのは貰うものではない。自分で取るものだ P244
・子育てと同じで、なんでもやってしまうから自立しない。
どの職業も、
昔と比べて上司が優しくなったと言われるが、なんのことはない。
実際は人が冷たくなっているだけだ P315
・歳をとるにつれ、仲間の勝利を、
自分の負けのように感じるようになった P332