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言葉の宝箱 0147【「悪くない」と口に出してみれば、本当に悪くないような気持ちになるから不思議だ】

『エデン』近藤史恵(新潮社2010/3)

あれから三年。白石誓はたった一人の日本人選手として、
ツール・ド・フランスの舞台に立っていたが、
すぐさま彼はチームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、
外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。
そしてまた惨劇が。過酷なレースを走り抜けた白石誓が見出した結論とは。『サクリファイス』の続編。

・泣き言が言えれば、少しは楽だったろう P17

・飛ばしすぎてもいけない。
途中で力尽きず、だがすべての力を出し切る P47

・なぜか、彼の目の中に哀れみのような色があった気がした P51

・どうして明日が今日より悪くないと信じられる? P52

・決めたとたんに急に楽になった P100

・勝てるかどうかはわからない。
だが、はじめて知った。
そのわからないことが希望なのだと P117

・自然に笑みが浮かんでいた。
無理だ、と気づいたとたん、肩の荷がひとつ下りた気がした。
少し頑張ればなんとかなるのならもちろん守りたかったはずなのに、
難しいとわかってしまうと
少しほっとするのはなぜなのだろう P112

・「悪くない」と口に出してみれば、
本当に悪くないような気持ちになるから不思議だ P123

・時間は決して巻き戻すことはできない。
だが、壊れたのがガラスならば、破片を拾い集めることくらいはできる。
絆が壊れてしまえば、かわりになにを拾い集めればいいのだろう P170

・死には匂いがある。隠そうとしても隠せない P223

・同じ行為を繰り返すことは、どこか祈りに似ている P227

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