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言葉の宝箱0735【覚えているのは『何を食べたか』じゃなくて『誰と食べたか』なんだよ】


『雨のち晴れ、ところにより虹』吉野万理子(新潮社 2006/7/20)


『なぎさ通りで待ち合わせ』(逗子)『こころ三分咲き』(鎌倉)『ガッツ厄年』(鎌倉)『雨のち晴れ、ところにより虹』(腰越)『ブルーホール』(葉山)『幸せの青いハンカチ』(逗子)の
湘南を舞台にした心温まる六話短篇集。
『幸せの青いハンカチ』には『雨のち晴れ、ところにより虹』の気になるその後が綴られている。

・他人の味覚は簡単に操作できない P23

・本物の味がわかるのは悪いことではない。
しかし、家計を預かる主婦がうまいものばかり食べたがるというのは、
自覚が足りない気がする(略)
食というのは、人間が生きていくうえで切り離せないもので、
だから人それぞれにこだわりがあって当然とは思う。
だが、折り合えなくなるほど主張し合うのはまずい(略)
うまいものもまずいものもたくさん食べてきた。
が、今となっては、結局覚えているのは
 『何を食べたか』じゃなくて『誰と食べたか』なんだよ P29


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