言葉の宝箱 1239【一度使った才覚は一度だけ古くなるものだ。何度も使えばすりきれて使いものにならなくなる】

『俄 ― 浪華遊侠伝 ― 』司馬遼太郎（講談社文庫：昭和47年6月15日）

・智恵よりも大事なのは覚悟や、と。
覚悟さえすわれば、
智恵は小智恵でもええ、浅智恵でもええ、あとはなんとかなるやろ　P12

・一度使った才覚は一度だけ古くなるものだ。
何度も使えばすりきれて使いものにならなくなる　P44

・喧嘩も戦争もおなじことだ。
恐怖と恐怖のくらべあいのようなもので、
恐怖の量がより大きくなった側が崩れ立ってしまう。
要するに勝つも負けるも心理のなせるわざといっていい　P127

・深夜にものを考えると来し方行くすえのことがあたまのなかに去来し、
考えることが自然萎れてきて消極的になる　P186

・善人とは小心で毒にも薬にもならなくて一向に前後の見通しがなく、
常に大きいものに巻かれることをもって生き方としている人間　P500

・わが身可愛さとか、利害とか、
そんなもので動くような人間ばかりではござりませぬ　P552

・ひとの親切は素直に受け、
他日自分の親切でおかえししようと思います　P555