
言葉の宝箱 0410【恋愛で男が要求される一番大切なことは色気だよ】

高校の修学旅行で人形浄瑠璃・文楽を観劇した健は義太夫を語る人間国宝銀大夫のエネルギーに圧倒されその虜になり、傍からはバカに見えるほどの情熱を傾ける中、ある日師匠に技芸員から変わり者と噂される三味線の兎一郎と組むように言われる。不安と戸惑いを覚えながら稽古に臨むが、兎一郎は全く違う演目をひき始める。また義太夫を極めるために縁遠くなっていたが、女性に恋をし、芸か恋と悩む。健は人を愛することで義太夫の肝をつかんでいく。若手大夫の成長を描いた青春小説。
・太夫と三味線は夫婦みたいなもんや。
夫婦が仲ええ必要があるか? P9
・長生きすればできる P37
・恋愛で男が要求される、一番大切なことは?(略)
色気だよ(略)
はっきり言えば、セックスのうまさだ(略)
たいていの女は、男の仕草や言葉から、そこを透かして見ている P48
・生きてるからこそ、死ぬことができるんや P55
・自分ではどうしようもない部分で、
なにかが決められてしまうことがある P76
・恋の川はいつも突然、目の前で流れ出す。
流れ出したら最後、渡らずにはいられない。
渡りきれるか、途中で沈むか、わからなくとも P121
・言葉を冗談にした兎一郎の無表情の陰に、
切実な痛みのようなものがあることに気づいた P141
・自分にどれぐらい時間が残っていると思う(略)
余計なことをしている時間はない P189
・気がついたら、もう好きになってたんです(略)
一目惚れってやつで P191
・恋愛で駄目にならん秘訣を知っとるか(略)
相手に何かしたろと思わんことや(略)
幸せにしたろとか、助けてあげんとか、そんなんは傲慢や。
結局、お互いにもたれかかってぐずぐずになるで、
地球上に存在してくれとったら御の字、ぐらいに思うておくことや P214
・迷いや悩みをひととき忘れ、幸せを願う気持ち。
みんなで元気に暮らしていきたいと、馬鹿みたいに単純な望みを、
衒いなく表明してみせる勇気 P229
・おやすみなさい。また明日。
そう言いあえるひとたちがいる喜び P307