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BOTANIST、YOLU、DROAS。一発屋で終わらない。ヒット率を高める仕組み「IPTOS」

noteを書いてみて

本当に目まぐるしく消費者動向は変わっていきますし、日々無数にブランドは生まれています。なので創業から今でも、やっと安定した、これで安泰なんて思たことは一度もなく、変わらず競合データや自社のデータを見ながら日々ビビりながら経営しています。そして当然ながら誰かに何かを教える立場にあるなんて微塵も感じていませんでした。

しかしnote1回目、多くの方々から大変ご好評いただいたことで自分みたいな人間の知識でも、日本の経営者やビジネスマンの皆様に少しは役に立てるんじゃないか、それによって1ミリでも日本の経済が良く慣れば素晴らしいことなんじゃないか、ということで調子に乗ってnote第二弾書きました。

ヒットの再現性

メーカーさんでも様々な会社がありますが、再現性高くヒットを出し続けている会社はどれぐらいあるでしょうか?

広告なのか販売手法なのかコンセプトなのか、何かしら大きな時流に乗って一発大きく当てるメーカーさんは沢山ありますし、これからも沢山出てくると思います。ただそれらは、僕の経験上ですが、何かしらの時流に乗ったことが勝因で(ちなみに、時流に乗るのもめちゃくちゃ難しいです)、次の商品を出すときにはその時流が終わっている可能性が高いので、同じようにヒットを出すことができない場合が非常に多いと思います。

I-neも過去はよくボタニストたまたま当たっただけの一発屋の会社 とか、ボタニストのトレンドおわったら一瞬にして消える とか、再現性が無いメーカー とかすごいよく言われました😭

I-neのヒット率

現状のI-neで展開している主力ブランドと育成ブランドです。まだまだですが、それでも少しづつバランス良くなってきたなと感じています。

BOTANIST以外にも、美容家電、飲料、メイクなども展開

ヒットの定義を「2年以内年商10億(現在は20億に変更)」とおいたときに、過去のヒット率をみると、2018年ころから、仕組み化に注力しはじめて、段々とヒット率を高めている状況です。
ちなみに2017年は、創業以来初めて売上成長が止まり、ヒットもなかなか生めず、組織も崩壊し、めちゃくちゃ大変な時期だったのですが、これもまた別記事でシェアします。

・2017年発売ブランド:7%
・2018年発売ブランド:18%
・2019年発売ブランド:25% 
・2020年発売ブランド:25% 

もちろん、不確定要素の多い現代で、絶対ヒット出し続けられるすごい会社です!とは言い切れませんが、再現性高くヒットを出す仕組みを持っている会社です!とは胸を張って言い切れます。

IPTOS(イプトス)

まず一般的なドラッグストアでの卸売がメインのメーカーさんは、ローンチ前に調査に膨大な時間とコストをかけて、これで多分大丈夫!ってところまで調査し切って、そこからコスト抑えるために大量生産して、発売時にマス広告がっつりやって、全国配荷し、認知が一気に上がり、商品をヒットさせる、というようなやり方でした。

このやり方は成功したときには大きな売上を作ることが出来る一方で、失敗した時の赤字額や不良在庫の数も非常に大きいですし、ローンチまでの期間も非常に長くなってしまうので、ニーズが爆発的に多様化してトレンドの移り変わりの早い現代では、ローンチした時にトレンド終わってました。なんてリスクも全然ありえます。

そこで、I-neでは、イプトスと呼んでいる独自のブランドマネジメントシステムを構築しており、商品企画から、販売スケールまで、各フェーズごとに、ステップ・KPIを設定し、ブランド育成、管理をきちんと行っております。​​

IPTOS イプトス

I IDEA アイデア

Iは着想段階。人力とAIを駆使して今後何が流行りそうかを予測し、ブランドや商品のアイデアだしをおこないます。​様々な情報を集め、1000本ノックで限界を超えるまでアイデアを出しきります。

P PLAN プラン

Pは企画段階。目標シェアを決め、そこから逆算し、商品パッケージ、配荷店舗数、プロモーションなどのプランを考え、プランをKPIに落とし込み、どの程度売上が上がるのかを、数理モデルで検証します。​

T TEST テスト

Tは検証。数理モデルで磨いたプランをベースにOEM様と最高のプロダクトを最短で作り、それを最低ロッドだけ発注して、実際にECでテスト販売します。PDCA回してもKPIクリアしなければ、ここですぐに撤退します。

O ONLINE/OFFLINE オンライン・オフライン

Oはオンライン、オフラインでの販売段階。Tフェーズの広告テストで良かったコミュニケーションを横展開してオンラインで広げます。KPIをクリアすれば徐々に広告金額を増やしオフラインに配荷を進めていきます。​

S SCALE スケール

Sはスケール。Oで得た販売実績を元に売上をスケールさせます。​

IPTOSのメリット

この仕組みによりるメリットは、大きく3点ありまして
1、まずリスク少なく、多くの打席に立つことができるようになりました。​
2、そしてスピーディーにPDCAを回しながら成功失敗をデータとしてためていくことによって、ヒットの再現性を高めていくことにも成功しています。​
3、そしてデータが蓄積されてきたことによって、オフラインに配荷した時の需要予測も可能になりました。​

IPTOS全てを説明するとものすごい量になってしまうので、今回は需要予測の精度がめちゃくちゃ上がってきているPフェーズを、実際のブランドのデータをベースにご説明します。

P planで需要予測を実施

planのP

P のプランフェーズで、ローンチ後の売上を予測しています。
例えば、DROAS(ドロアス)のデータを紹介します。

DROAS(ドロアス)のシャンプー・トリートメントの2020年3月の発売から3ヶ月間の売上予測結果は、
売上予測が12.3万個に対して、実績が11.7万個。
差は5,912個で、精度は95%でした。​

そして、直近22年1〜5月末 全ヘアケアブランド平均の予測精度は、なんと​99.8%​
ここまで精度が高いと、欠品も過剰在庫も防ぐことができますし、投資効率を向上させることもできました。​

高い需要予測ができる秘密:KPIツリーの解明

需要予測をするために、まずはPOS売上とKPIの相関を明確にしました。

門外不出のKPIツリー

高い需要予測ができる秘密:数理モデル

このKPIツリーをもとに、消費財市場を数学を使って再現したI-ne独自の数理モデルを作成しました。
過去ローンチした自社/他社含めた商品毎のKPIを、何パターンも入力し、実際の数値と、数理モデルの算出する数値が一致するまで、細かな係数を何度も調整し、磨き上げました。

この数理モデルを用いることで、新規ブランドに投資する広告費や、販促費などの変動費を決め、目標KPIを定め入力すれば、Planフェーズというタイミングでもローンチ後のPOSシェアを算出することができます。

ヒット率の高め方

予測ができるのは素晴らしいのですが、じゃーどうやったら、ヒット率が上がるの?というところを説明していきます。

厳しいゲートの存在

IPTOSの、I→P→T→O→Sの次のフェーズに移動するときには「ゲート」が存在します。
ゲートはさらに細かく基準は非常に高く設定しているため、なかなか超えることは出来ず、基準未達でやり直し!も、沢山発生しています。

具体的には例えば、​Pの企画の前提として、目標売上を15億円に設定したとします。​
その前提で、購入意向調査スコアや、配荷率などの目標KPIの数値を決めていきます​。
常に1発で目標KPIを達成できることはあまりなく、​1回目の調査では 予測が11億円となったとします。
そうなると、目標15億円に届かないので、再度各種KPIの数字を調整し、目標15億円を達成するために改善できることはないか、企画を練りなおします。​
そして改めて調査を実施し、目標15億円が達成可能と算出されると晴れて次のフェーズである Tフェーズ にすすめます。​

ヒットを出すのは難しい。だからこそ、社内で設定する「ゲート」は厳しく設定しておかなければならず、その高いハードルを越えるために、ボス(お客様)の理解を深め、アイデアを出し続け、粘り強く商品づくりをしています。

打席に多く立つ

他社は、調査会社に1回1,000万円ほどかけて調査/分析を実施している会社が多いと聞きますが、I-neは、独自の数理モデルを活用しているので、いつでも何度でもコストを抑えて調査を実施することができますし、ナレッジも社内に溜まっていきます。結果PDCAのスピードがどんどん早くなって、短期間で高い結果のプロダクトを生み出せています。

つまりプロダクトを作る前から、そのプロダクトがどれだけ売れるか99.8%の精度でわかるので、売れるプランができるまで、リスクなく超高速でPDCA回せるから、ヒット率がめちゃくちゃ高くなってきている!ということなんです。

このようなプロセスをもって、I-neではヒットの再現性を向上させています​。

まとめ ヒット率を高めるIPTOS

数理モデルや溜めてきた経験、データはI-ne独自のものですが、実は、IPTOSという名前も流れもごくごく一般的なことを言っています。

要は
◯自分たちの強みを理解し、ビジネスモデルを仕組み化する。
◯それを極限まで数式に落とし込む
◯仕組みを社内共通言語化し、個人の目標評価に繋げて、組織で仕組みが動くようにする
◯イチイチ振り返ってデータを溜めることを全社員徹底して、本当の意味でのPDCAが高速で回るように文化にまで昇華させる
という、経営の当たり前をずっと愚直にやり続けていますという話なんです。

でもこの当たり前のことを徹底してできている会社が世の中にどれだけあるでしょう?

今から仕組み化をされていく会社さんも、仕組みが古くなってきたと感じられている会社さんも、何かしらの気づきになれば幸いです。
これ書くと、壮大な全社横断PJだったので、めちゃくちゃ大変だったなぁ。みんな日々の業務忙しいのにやり切ってくれたなぁ。めちゃくちゃ忙しいときボス(お客様)のレビュー見ながらモチベ上げてたなぁ。とか色々思い出しました。
そして仕組み化・定量化しすぎたら、失われるものも色々あるから、そこでミッションやバリューが大事とか、アートクラフトサイエンスのバランス的な話もしたくなりますが、また別記事でまとめます!


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