大転換の時代 世界的投資家が予言

本の内容は、筆者の世界三大投資家の一人ジム・ロジャースの見解が、多岐にわたる分野、多国の経済にわたって書かれていて非常に興味深い内容であり、発見も多かった。

その中でも彼が本書にて書いている我が国、日本と中国の行方についてまとめてみた。

まず1980年代時点で、その時点でも過去に世界で覇権を何度もとったのは中国が唯一である。イギリス、ローマ、エジプトは一回だけ覇権国となった。

ジャパンアズナンバーワンと言われて、日本は1980年代に世界中からもてはやされていたが、中国国民は野心的で努力家でお金をコツコツ貯めていた。

1978年に鄧小平が「我々は新しいことを試みないといけない」と断言し、350年ほど低迷していた中国を開国し、国家として資本主義的な路線を進むことになった。この間、日本はバブルの絶頂期であった。

その後1989年に天安門事件が起こり、政府の金融政策によるインフレで生活が苦しくなってきたことがメディアを通して露骨になっていたが、それでも中国経済は、金融や財政面でも緩和が進み、立ち直っていった。中国は開閉を繰り返しているが、どの報道もプロパガンダが入っている可能性があり、一概にどの情報が正しいとも言えない。

歴史的に見ても、中国は国を破壊しつくした計画経済から自由市場経済に目を向けて以来、驚異的な成長を遂げたことは事実である。

日本は、経済を守るために、増税を試みているようが、増税は経済にとってはいいことはない。日本政府は、「国民よりもお金の使い方が上手だ」と考えているので、今後も増税していくことになると思われる。どこにも行くことのない新幹線や高速道路をむやみに作らないほうがいい。しかし国の債務を減らしていくには、債務と税金を減らしていかなければならない。歳出を減らして税金を減らさなければならないときにGo Toキャンペーンは逆効果で、政治家の票集めに過ぎない。

日本はこのままではデモや国民のストライキなど混乱が予測されるので、悪い意味でエキサイティングな国になるかもしれない。

少子化対策として、日本は今後は外国人労働者を受け入れていく策はしっかりしなければならない。子供を増やしていくというのは現実的に難しい。人口が減少しているからインフレにならないのだろう。

しかし真剣に考えなければならないのは、日本に将来移民が来たいと思うかどうかだ。日本は人口が減っていく一方で借金が増え続けている。19年に消費税が8%から10%まで増税、コロナショックでも減税する姿勢はなく、負債の影響から税金が徐々に上がっていくことは明白である。

著者曰く、「よりよい国民になるためには、海外へ出て、世界を知るべきだ」(日本人に限った話ではない)。

日本に限らず、世界中で債務が増えている。デフォルトを起こす企業や国はこれから増えていくことが予想される。この本はあくまでも、投資家ジム・ロジャースの見解であり、預言であると書かれているが、この通りにならないとしても非常に信ぴょう性の高いエビデンスと情報と歴史事実が詰まっている。自身の関心によって、特定のページだけをフォーカスして理解を深めていこうとするとより面白くなってくると思うので、ぜひおすすめしたい本である。小生は赤ペンとポストイットを使って、3回ほど読んでいる。


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