昭和のぬくもり「二槽式洗濯機」を眺めながら思ったこと
年末年始に夫の実家に帰省した。
滞在中は、洗濯機をお借りして我が家の洗濯物を洗っている。
夫の実家では、洗濯機は二槽式である。
私は1977年生まれで、昭和の小学生時代には家庭で二槽式洗濯機が使われていたと記憶している。
二槽式洗濯機といえば、「昭和の家電」のイメージがある。
今でも使用している方は、あまりいないと思うのだけど……。
義母は令和の今も現役で愛用中なのだ。
正直なところ、帰省のたびに私はこう思っていた。
「なんで全自動にしないのだろう。」
「洗いから脱水に移すときが手間だなあ……。」
一方、義母はこう言っていた。
「壊れんのよ。」
「洗濯水を再利用できるしいいんよね。」
それにしても、面倒じゃないかなあ。
工程が終わるたびに洗濯機までいかなきゃならないし……。
そんなことをぼやきながら、水を出すタイミングや排水のタイミングをいつも間違えている私。水を出しっぱなしにしてしまい、指摘されることもしばしばある。
なんておバカなんだろうと思う。
我が家では縦型の全自動洗濯機を使っている。
水量は洗濯物の量で調整され、水をためたり排水したりとか、そんな工程をほぼ意識していない。
せいぜい、洗い時間や脱水時間を調整するぐらいだ。しかしこれらは一度設定してしまえば、完全おまかせモードである。
全く自分の頭で考えていないことに気づかされた。
家電が進化すると人間は退化する?
高機能な家電を手に入れ、便利な生活を求める一方で、人間の基本的な生活力はどんどん退化しているかもしれない。
家電の進化により、昔の家事労働に比べたらはるかに楽になっているのは間違いないけど、生活力は低下しているのかもしれない。
手作業が主流だった時代は、不便な生活の中でスキルや知識を身につけることができ、それが生活力となっていたと思う。
二槽式洗濯機の前で、ぐるぐる回る水を眺めながら、私はそんなことを考えてしまった。
二層式洗濯機のメリット
時代遅れで不便だという思い込みを一旦おいて、義母が愛用する理由が知りたくて、二槽式洗濯機のメリットについて調べてみた。
見てみると、なるほどと思うことばかりだった。
二槽式洗濯機の洗濯槽は、二重になっていないことから、モーターの力が伝わりやすいため、洗浄力が高いそうだ。
さらに、そのシンプルな構造から二槽式洗濯機の内部は、掃除もしやすく内部も乾きやすいためカビが発生しにくいとのこと。
たしかに、夫の実家の洗濯機はいつもピカピカにお手入れされて清潔感が漂っていた。
こちらのお写真は下記からお借りしました。
一方、我が家の縦型洗濯機は、洗濯槽が二重になっていて、洗濯槽の内側はお掃除できても外側はどうにも手入れができない。
このシンプルな構造は、壊れにくさにもつながっている。我が家の以前の洗濯機はドラム式で、耐久年数通り8年で完全に故障して動かなくなってしまった。
一方で、夫の実家の二層式洗濯機は20年選手。
比べものにならないね……。
それから、洗いと脱水が別々に使えるのも便利だ。洗ってる最中に、手洗いしたものを脱水だけ使いたいときあるよね。
あれあれ、なんだか二槽式洗濯機が魅力的に思えてきた。
義母が愛用する理由もわかってきたぞ。
二槽式洗濯機はサスティナブル
節水効果もあり壊れにくいとは、サスティナブルな観点からもピカイチ。
「節水だ、節電だ、洗剤自動投入だ」などどメーカーのポエムに踊らされながら、つぎつぎと高機能な家電を手に入れるのは本当にサスティナブルな行動をしているのだろうか。
正確な調査ではないけれど、家電が高機能になるほど、電気も水も必要以上に使っているのかも知れない。
こんなことを考えていたら、昨年読んだこの本を思い出した。
究極の暮らしを実践している稲垣えみ子さんは、洗濯機も手放している。二槽式洗濯機どころか、手洗いをしている。
便利を求めて、高機能な家電を使っていると、どんどん家事を「オオゴト」に考えてしまい、本来の作業が分からなくなっている。
二槽式洗濯機の使い方で混乱してしまう私は、まさにこの沼にはまっていると感じた。
本来の作業はなんだったか、便利な家電に振り回されるのではなく、もっとシンプルに家事をとらえたい。
「その機能はなんのため?」
「その機能は必要なの?」
家電任せではなく自分の頭で考えて使いたいと思った。
今の縦型洗濯機が壊れたら、二槽式洗濯機にするという選択もあるかな。
しかし、脱水の音は大きいのよね……。
今の洗濯機が壊れたら、考えてみよう。
本日もお読みいただきありがとうございました。